□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年08月09日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油相場の短観です。50ドル台到達後に上げ一服となっている原油価格動向を解説します。今回は、主に伝統的な産油国サイドの動向の解説になります。 =================================== 減産順守率引き上げを求める原油価格、防戦を迫られる産油国 =================================== <50ドル台確立できず> NYMEX原油先物相場は、1バレル=48.50~50.00ドル水準に新たなボックスを形成しつつある。7月以降は、在庫減少による需給リバランスの進展期待という積極的な買い材料と、シェールオイルの安値限界への警戒感という消極的な買い材料の二つが重なり、急伸地合を形成した。8月1日高値は50.43ドルに達し、5月25日以来の高値を更新していた。しかし、その後は大きな値崩れを起こすことはないものの5営業日連続で50ドルの大台に届かない取引が続いており、上げ一服感も浮上している。 原油需給リバランスという観点では、着実な進展が確認されている状況に変化はない。シェールオイル増産によって世界で最も需給緩和圧力が強まり易い米国でさえ、原油在庫は着実な減少トレンドにある。3月31日時点の5億3,554万バレルをピークに直近の7月28日時点では4億8,189万バレルまで減少しているが、これは今年最低の在庫水準である。過去5年平均が3億3,417万~4億9,050万バレルだったことと比較すれば、在庫にタイト感が生じる余地は殆ど存在しない。しかし、米原油在庫とWTI原油の逆相関関係を重視すれば、「米原油在庫減少→WTI原油価格上昇」の流れが正当化されることになる。… … …(記事全文5,133文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)