□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年03月08日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。サウジアラビアのファリハ・エネルギー相が久しぶりに公式の場で多くを語っています。恐らく、年初から協調減産がスタートして以降で最も多くのコメントが得られています。同相が何を語り、それをどのように評価すべきかを検証します。 =================================== サウジ・エネルギー相は、減産開始から2か月をどう考えているのか =================================== <サウジ・エネルギー相の現状評価を確認する> 3月6~10日の日程で開催されているエネルギー魚油会の会合CERAWeekに、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業資源相が出席し、幾つか興味深い発言を行っている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国、非加盟国の協調減産によって国際原油需給がどのような変遷をたどっているのかは、マーケットでも需給均衡化に肯定的な意見と否定的な意見が交錯した状況にあり、明確なコンセンサスと言えるようなものは形成されていない。実際に、NYMEX原油先物相場は1バレル=50~55ドルのレンジで膠着化しており、底固いものの上値の重い展開が続いており、強気派も弱気派の双方が満足のいく結果を得られていない。こうした不安定な相場環境の中で、協調減産を主導しているサウジアラビアがどのように考えているのかは大きな意味を持とう。 まず結論部分であるが、石油市場のファンダメンタルズは改善しているとの好意的な評価が下されている。主に協調減産の効果によってだが、年初からの2か月で在庫が縮小していることを報告している。ただ、そのペースについては「自身の想定よりは遅い(slower than I thought)」として、過剰在庫取り崩しの流れを確認しつつも、サウジとして期待していたレベルには到達していないことに若干の不満が示された格好になっている。… … …(記事全文4,258文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)