□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年01月16日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。今回はWGCの公表した年次レポートを紹介します。専ら強気の内容になる性格のレポートですが、金価格の上昇ロジックを把握しておく上では有用でしょう。主要な指摘は全て紹介し、簡単な解説を行います。 =================================== WGCの2017年金価格分析を読み解く ~金価格が上昇する6シナリオ~ =================================== <WGCが指摘する金価格上昇の6要因> 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は1月13日、「The gold market in 2017(2017年の金市場)」を公表した。金価格の上昇を期待する産金業界団体寄りの分析とあって、当然に強気ロジックが基本になりやすいバイアスが強いレポートだが、昨年後半に急落した金価格がどのような場合に上昇する可能性が高いのかを確認することも有益だろう。 「2016年には多くの投資家が金市場に戻ってきた」として、マクロ経済要因などから投資家の金市場に対する関心が再び高まったと総括されている。その一方で、2017年はドル高による金の魅力低下などの幾つかの懸案があるものの、「戦略的なポートフォリオの構成要素」としてのみならず、「6つの大きなトレンド(six major trends)が2017年を通じて金に対する需要をサポートする」との強気の見通しが示されている。すなわち、米国でトランプ新政権の誕生を間際にしてドル相場の水準が大きく切り上がったことが金価格を押し下げたが、2017年は「6つのトレンド」が年間を通じて金投資需要を喚起するとの見方である。… … …(記事全文5,354文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)