□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017月12月31日第1017号 ■ ============================================================== とっくに終わっていた日韓合意 ============================================================== 韓国が日韓合意の検証報告書を公表して以来、猛烈なスピードで日韓合意が終ろうとしている。 文在寅大統領が日韓合意の否定発言をしたかと思ったら、今度は慰安婦財団理事5人の辞意提出という事実上の財団解散だ。 日韓合意の主要目的の一つが、慰安婦たちへの補償にあるのだから、慰安婦財団が解散すれば日韓合意は終わる事になる。 しかし、じつは日韓合意はとっくに終わっていたのだ。 その事を私は慰安婦財団理事5人の辞任を報じるきょう12月31日の毎日新聞の記事で知った。 そこにはこう書かれている。 「・・・発足当初は韓国政府予算として支出された財団運営費は、同党(筆者註:文在寅大統領ら当時の野党)の反対で翌年度(17年度)分は政府予算が削除された。このため現在は日本の拠出分から支出している・・・」 何のことはない。 合意されていた慰安婦財団の韓国側経費負担が、わずか1年も経たないうちに韓国側の都合で破られていたのだ。 それにもかかわらず、日本政府は文句も言わずに肩代わりしていた。 なぜか。 それは、日本政府の資金でつなぎ留められた財団委員らを使って、日本政府が無理やりに慰安婦らに補償を受け取らせようとしたからだ。 その事を毎日新聞は次のように書いている。 「・・・27日に発表された財団事業に関する検証結果によると、元慰安婦に現金支給を行う過程で、『財団関係者らが支給を積極的に進めたり、説得したりする発言』が確認されたと指摘、また、高齢の元慰安婦が『現金の意味を正確に理解していたか、議論の余地がある』と、支給方法に疑問を呈した。その上で『元慰安婦に葛藤や精神的苦痛を与えたことを謝罪する』と表明した・・・」 酷いものだ。 日本政府は慰安婦らにセカンド被害まで与えようとしていたのだ。 安倍首相と結託してこんな日韓合意をつくって協力した朴槿恵政権が、韓国国民の手で追放されのは当然だ。 代って選ばれた分在寅大統領が日韓合意の見直しを要求するのは当然だ。 その一方で、日韓合意のもうひとつの主要目的である慰安婦像の撤去については、朴槿恵政権の時から実施されなかった。 それどころか、どんどんと増えている。 これを要するに日韓合意はとっくに終わっていたのだ。 日韓合意の見直しは、日本にとっても当然の外交交渉である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)