□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月15日第138号 ■ ============================================================== 安倍談話は安倍政権の最大の問題となる予感 ============================================================== マスコミ市民という月刊雑誌の最新号(2月号)に日中青年交流協会理事長という肩書の鈴木英司という人が物凄い寄稿をしている。 それは一言で言えばこうだ。 APEC首脳会議の場で実現した日中首脳会議の前提に例の4項目合意があった。この合意文書は、何としてでも首脳会議を行いたいとする安倍首相による譲歩であり、文書であのような合意を行う事に反対する斎木次官を怒鳴り飛ばしてまでつくらせたものだ。 しかし、日中首脳会議の実現後も日中関係は進展するどころか、中国の安倍首相に対する不信はなくならない。その最後の試金石が安倍談話だ。もし安倍談話で村山談話から後退するような事になると、その時こそ中国は4項目合意違反として一気に安倍批判を強めるだろう。安倍首相は安倍談話で歴史を直視し、日中関係を改善する意思を証明するしかない、というものだ。 私が繰り返し書いて来た通りの事がそこに述べられている。 さっそく私は鈴木氏にコンタクトしその寄稿の裏にある様々な情報を知った。 そしてあらてめて私の書いて来たことが正しいことを確認した。 公開情報に基づいて書いて来た私に推論が、鈴木氏の内部情報(日中双方の関係者の証言)で見事に証明されたのだ。 私が鈴木氏の話で知ったことは、外務省の現職官僚やOBの中でも安倍首相の対中外交を危惧し、反対しようとしている者が少なからずいるということだ。 中国側の考えは、このまま安倍首相が誤った歴史認識で押し通すなら、日中関係は決定的に悪化するとする一方で、もし安倍首相が安倍談話の中で村山談話について誠意ある対応を見せるなら日中関係は改善されるとしているところである。 これは裏を返せば、安倍政権の時に、もし日中関係が、みせかけではなく真に改善されるなら、安倍首相は歴史に名を残す首相になるだろうということだ。 そして私は鈴木氏の話によって、そのことは安倍首相側にも伝わっていると確信した。 すべてのボールは安倍首相側にあるのだ。 この間の程中国大使が話していた事とも平仄が合う。 度日中関係が戦後70年の節目で決定的に悪化するか、それとも真の改善に向かって安倍首相が歴史に残る首相となるか。 それほど重要な意味を持つ安倍談話だ。 私であればためらいなく後者を選ぶ。 自らの談話のなかで、はっきりと村山談話の中の二つのキーワード、つまり日本の軍国主義による侵略の認定とそれに対する明確な謝罪、を表明する。 歴代の首相がそうして来た事を出来ないはずがない。 村山談話を受け継ぐと言っているのだから、出来ないはずがない。 そして今の安倍首相はやろうと思えば何でも出来るはずだ。 外務官僚も菅官房長官も泣いて喜び、もちろん中国もそれを評価する。 なぜ安倍首相にそれが出来ないのだろう。 しかし安倍首相は今のところはそうする気はないらしい。 またもやごまかすつもりらしい。 もしそうならこれほど愚かな事はない。 ここまで分かっていながら、そして安倍首相の決断ですべてが決まるのに、それでも村山談話の言葉を避け、村山談話からの後退と受け止められる談話を出すなら、すべての責任は安倍首相一人の責任である。 国内外から徹底的に批判され、政権は持たないだろう。 本当にそれでいいのか、まともな者なら答えは自明である。 8月15日の発表までにまだ半年ほどある。 このメルマガを読んで、考えを改めたらどうか。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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