□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月2日第98号 ■ ============================================================== 「イスラム国は米国がつくった」というこれだけの理由 ============================================================== オサマ・ビン・ラデンが、かつてソ連がアフガン侵攻を行なった時、そのソ連軍と戦った聖戦士であり、米国が支援した産物であったことは、もはや皆が知っている。 そのオサマ・ビン・ラデンが9・11を起こして米国を襲った。 そして今度はイスラム国だ。 イスラム国もまた米国の産物である。 イスラム国の幹部たちは、かつて米軍に収容され、拷問された者や、あるいは米国のイラク攻撃の生き残り兵士たちである。 彼らが復讐の為に「落とし前」をつけにバクダッド迫ったのが昨年の6月だった。 それに共感して集まる者の理由は様々だが、その中枢をなす者たちは、パレスチナ弾圧をはじめとした米国の中東政策の不正義に怒る自爆テロを辞さない者たちだ。 つまり米軍の非道さと米国の不誠実な中東政策が、イスラム国を産んだのだ。 ここまでは、すでに多くの識者が指摘していることだ。 きょう2月2日の朝日新聞も書いている。 イスラム国の源流をたどると2003年に始まった米国のイラク攻撃にたどりつくと。 しかし、もっと直接的な理由がある。 そのことを、今日発売の週刊プレーボーイ400号(2月16日号)が見事に教えてくれている。 イスラム国の高い戦闘能力は、アメリカの特殊部隊によって鍛え上げられたものであると。 すなわちアメリカはシリアのアサド政権を倒すためにトルコとヨルダン北部の訓練基地でシリアの反体制武装勢力を特訓していた。 それの組織が現在のイスラム国となったのだ。 そして米国の迷走はさらに続く。 ついこの間まで、あれほど躍起になって倒そうとしていたシリアのアサド政権を容認する政策転換をするという(1月31日産経、2月2日朝日)。 なぜか。 それは、アサド政権と手打ちして、シリアの武装勢力を、今度はイスラム国と戦わせるためだ。 今春から米軍教官400名をトルコ、サウジアラビア、カタールの基地に派遣して、シリアの武装勢力を2か月間訓練し、その後シリアに戻してイスラム国と戦わせるという。 週刊プレーボーイのその記事はこう書いている。 「テロ組織の輪廻転生としか言いようのない無限ループを、アメリカはまた生み出そうとしている」と。 中東の流血のすべての責任は米国にある。 その米国に従属する安倍首相は、中東の流血とは何の関係もない日本を、中東の無間地獄に陥れようとしているのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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