□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　　天木直人のメールマガジン２０１２年３月２４日第２４３号
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　　「平和を口にするやましい国」とはどの国なのか　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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　まず次の文章を黙って読んでいただきたい。

　「軍拡や領海侵犯を行いながら『平和的台頭』を臆面もなく言う国、
実際は弾道ミサイルを発射するのに『宇宙の平和利用だ』と強弁する
国など、とかくやましい国ほど平和を口にする・・・」

　これは３月２４日の産経新聞「土曜日に書く」のなかで特別記者と
いう肩書の千野境子という記者がかいていた評論の書き出しの言葉で
ある。

　これが中国、北朝鮮を指している事は明らかだ。

　確かに彼らは平和という言葉を使って軍拡やミサイル実験発射を行
っている。

　けしからん国だ。

　しかしけしからん国は中国や北朝鮮に限らない。

　国際政治の中で、およそ軍事に頼ろうとする国は、すべて自分の国
の軍事力は平和目的の軍事力であり、他国の軍事力は警戒すべき対象
だとみなす「やましい国」なのである。

　およそ世界のどの国が馬鹿正直に自らの軍事力を侵略や攻撃のため
だと公言するというのか。

　米国でさえ自らの軍事力を世界の平和のためといい、日本でさえ米国
のイラク侵略に加担した日本をそれでも平和憲法９条の国と呼んでいる。

　中国や北朝鮮からみれば米国や日本もまた「平和を口にするやましい
国」に違いない。
　
　それにしても、中国や北朝鮮をあからさまにののしる千野境子という
記者やその論評を掲げる産経新聞は、正直な人であり正直な新聞だ。

　思ったことをそのまま口にする正直者には、日本の国益を実現する
外交などとても出来ない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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