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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

やはり存在した「米兵犯罪の裁判権放棄」日米密約
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月11日第714号 ■     =============================================================   やはり存在した「米兵犯罪の裁判権放棄」日米密約                                                 ===========================================================  外務省の卑劣な情報隠しに心底怒りを覚える読者には、今日発売の サンデー毎日10月23日号に掲載されているジャーナリスト吉田敏浩氏 の手による標記の記事をぜひともお読みいただきたい。  吉田茂政権の下で交渉し、米国に押し切られて米兵の犯罪の裁判権を 放棄し、それを密約の形で国民に隠し続けてきた政府と外務省。  この不正義を国際問題研究者の新原昭治氏(80)が米国立公文書館で 発見し、公表したのは2008年であった。  それを、2010年3月14日号のサンデー毎日で国民に詳しく解説 してくれたのがジャーナリスト・吉田敏浩氏(54)であった。  私はその都度、この「米兵犯罪の裁判権放棄」問題の深刻性について 当時のブログやメルマガで書いてきた。  この問題こそ戦後の日本を形作ってきた日米安保体制のもっとも深刻な 負の部分の本質であるからだ。  私はこの二人には一面識もないが、その調査力、調査報道力の素晴ら しさに深い敬意を抱いている。  そしてその二人が今度こそ決定的な政府・外務省のウソを暴いてくれた。  それがこのサンデー毎日の記事なのだ。  「民主党代表選をめぐる騒動の最中に外務省が公表したのは、1953 年10月28日の日米合同委員会裁判権分科委員会刑事部会での日本側 代表が、『日本国の当局は米国人・軍属・それらの家族に対し、日本国に とって実質的に重要と考えられる事件以外については、第一次裁判権を 行使する意図を通常有しない』と陳述したことを記した非公開議事録 だ・・・」  この回りくどい言い回しの非公開議事録の引用から始まる吉田氏のその 記事は、今度こそ、日本政府がこれまで認めてこなかった「米兵犯罪の 裁判権放棄」の日米密約が存在した動かぬ証拠を突きつけてくれる。  そのような文章を代表選の最中にさりげなく公表してごまかそうと した外務省の姑息さを教えてくれる。  そして何よりも、この期に及んでも、それは密約ではないと強弁する 外務省の卑劣さを糾弾している。  吉田氏のその記事を1000字あまりのこのメルマガですべて紹介する 余裕はない。  吉田敏浩のその記事は一字一句読み落とせない完璧な文章だ。  だからその全文を読まなければ意味がない。  私が読者にその記事を一読する事を進めるゆえんである。  しかし、一つだけどうしても書いておかなければならないことがある。  それはこの国の裁判所もまた、外務省と結託して裁判権を放棄すること に加担し、この密約の存在を隠し続けているという事実だ。  けだし正義を実現するはずのこの国の司法が官僚組織と一体となって 不正義を犯してきたのである。  そしてそれは今も続いているのだ。  この国の最大の不幸である。                              了   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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