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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 歳費削減か定員削減かの選択ではない。どっちもだ。
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月11日第713号 ■     =============================================================   歳費削減か定員削減かの選択ではない。どっちもだ。                                                 ===========================================================  朝霞の公務員住宅を凍結するのにあれだけ大騒ぎをしたくせに、足元 の国会議員の歳費については満額復活させるという。  さすがに10月10日朝の「みのもんたの朝ズバッ」でもやっていた。  納得がいかない、と。  国会議員の歳費や政党助成金などを合わせると一人年額1億円を超え る税金が渡っている。国民に増税を求める国会議員が自分で給与を満額 復活させるとは、ふざけるな、と。  その通りだ。  しかし、いまや民主党政権の最高実力者とおだて上げられている輿石 幹事長は何と言ったか。 「歳費減額の特例法を延長する気はない」と言い切ったのだ。  お遍路めぐりの菅前首相は、コメントを求められて、「今はお遍路 の最中だ」といってインタビューを拒否した。  自分の都合にいい時は、もうすぐ初孫が生まれる、などと饒舌に しゃべっていたのにである。  しかし、私がこのメルマガで言いたいのは、そんな民主党政権の いかさま振りではない。  輿石幹事長は歳費を減額しない理由として何と言ったか。  国会議員が身を削る方法はほかにもある。定員削減をすればいい、 と言っていた。  定員削減によって確かに民主党議員の数も減る。  しかし2大政党制はますます進み、いまや最大の政権政党になった 民主党にとって結果的に有利に働くのだ。  この輿石幹事長とまったく反対の事を日曜日(10月9日)のNHKの 政治討論番組で共産党の市田書記長が言っていた。  国会議員の身の削り方は議員削減だけではない。まっさきに手をつける べきは政党助成金の廃止だ、と。定員削減は民意を削減することだ、と。  二大政党制の下で、もはや小選挙区では勝てなくなった少数政党に とっては、比例代表制の定員削減は党の存亡がかかる一大事なのだ。  それぞれの政党が、都合のいい事を言い合って組織防衛を図る。  そして皆が口を揃えて言うのは、国会議員がその手当てにふさわしい 仕事をしていないから国民は定員削減や歳費削減を要求するのだ、と。  我々はそういう声が国民から出ないようにもっと仕事をしなくては いけない、と。  これまでにこの言葉を何度聞かされてきたことか。  まともな仕事をする政治家がほとんどいないから削減しろと言っている のだ。  歳費や議員特権目当ての政治家が多すぎるから削減しろと言っているのだ。  そして、最後にもうひとつ。  これこそが我々がこれから監視していかなければならない事だ。  なぜ国会議員の定数削減や歳費削減が必要であるか。  それをしなければ、その後に続く公務員の定数削減や給与削減が腰砕け に終わることが目に見えているからだ。  自らを甘やかす国会議員がどうして公務員に削減を迫れるのか。  10月6日の朝日新聞によれば人事院が9月末に国家公務員の年間給与 額を0.23%引き下げる勧告を出したことについて、連合の古賀会長は 定期大会後の記者会見で「勧告したこと自体がおかしい。無視してもらわ なくてはいけない」と野田政権を牽制したと報じている。  わずか0.23%の削減でも連合は認めないと言っているのだ。  ただでさえ労働組合に弱い民主党政権だ。  自らの歳費を甘やかした上でどうして公務員に厳しく迫れるというのか。  この国は、国会議員と公務員のもたれあい天国だ。  国民のための政治などまっかなウソだ。  我々は、歳費満額復活を決して許してはいけないのである。                               了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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