□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月19日第656号 ■ ============================================================= WHOを差し置いて核による健康被害調査の主導権を握り続けるIAEA ============================================================= 福島原発事故の発生から今日まで、一貫して脱原発を訴え続けている大手 新聞は何と言っても東京新聞であるが、その東京新聞にも負けないぐらい 脱原発の立場からスクープを連発しているのが毎日新聞である。 そのスクープの中で最大のものは、日米両政府がモンゴル政府に働きかけ て永久核廃棄処理場を計画していることをすっぱ抜き、結果としてその計画 を頓挫させた事が特筆される。 そしてその毎日新聞が、今度は国際原子力機関(IAEA)が世界保健機関 (WHO)を差し置いて放射線被曝問題の主導権を握っているというスクープ 記事を掲載した。 すなわち9月18日の毎日新聞は次のように報じている。 ・・・WHOは半世紀以上前の報告書で「原子力発電産業の発展により将来 世代の健康は脅かされている。将来の遺伝子の突然変異が子孫に有害だと判断 する」と結論づけた。世界はおののいた。 翌1957年にIAEAが設立された。そしてはやくも1959年には IAEAとWHOの間に協定が結ばれ、核による健康被害などの調査の 主導権はIAEA側に移行された。以来今日ではもはや両者は主従関係にある。 WHOは放射線被曝に関する専門職員は一人しかいなくなり、予算も削減 される一方である。この事実は、欧州各国のNGO約40団体から作られる 「WHOの独立のために」代表らがWHO今年の5月に福島原発事故の健康 被害調査を求めてマーガレット・チャン事務局長と面会した際、事務局長 自らがこれを認めた・・・ この毎日新聞のスクープ記事がなぜ重要であるかと言えば、チェルノブイリ 原発事故の放射能被害についてWHOとIAEAの間で意見がまとまらない ままに2005年9月にIAEA本部で開かれた国際会議で、チェルノブイリ 被害が過小評価のまま幕引きされ、それを契機に国際政治・経済の主流は、 気候変動対策や新興国のエネルギー需要を理由に「原発ルネッサンス」へと なだれを打ったからだ。 その流れに逆らうように福島原発事故はその直後に起きた。 だからこそIAEAはその事故の影響を最小限に抑えようとするのだ。 図らずも福島事故の直前に日本の外務官僚がIAEAの事務局長に選ばれた。 その天野局長のIAEAは、本来ならば原子力発電の安全性向上のために加盟 国に対しより厳しい義務を課す方向に進まなければならないのに、米国の難色に より安全性に関するIAEA調査団の受け入れは当初の義務化から任意制に緩和 されて終わった。 せめて放射能が健康に及ぼす影響に関してはWHOの復権が求められると毎日 新聞のスクープは警鐘を鳴らしているのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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