□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月11日第633号 ■ ============================================================= 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件とは何だったのか ============================================================= 民主党政権になってから起きた様々な問題・事件のうちで、その真相 が政府の口から明確に説明されないままウヤムヤで終わってしまった物 があまりにも多いと考えるのは私一人だろうか。 その一つに尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件がある。 あの事件が起きる前までは、尖閣諸島沖では日中の漁船が入り乱れて 操業していたことは日常茶飯事だったという報道が当時あった。 なぜ日本がその時だけ取締りを強行したのか。 それに対しなぜ中国側があれほど強く反発したのか。 なぜ日本政府は突然政策を軟化して船長を釈放したのか。 これについては後日有力な解釈がなされている。 それを私はメルマガでも何度も書いてきた。 すなわち、日中間には漁業交渉の過程で一つの了解があった。尖閣 沖の中国漁船の領海侵犯は、拘束はしても逮捕することはなく追放して 現実的に済ませる。そうする事によって双方のメンツを立て、主権争い の問題に発展させないという合意である。 それを知らなかった(知らせられていなかった)民主党政権が、世論 に押されて逮捕に踏み切ったまではよかったが、中国の強い反発にあい、 そして日本の行動が日中間の暗黙の了解違反であることを後で知らされ て、船長釈放を行なった。しかもそれを沖縄地検の判断だとごまかした。 これである。 それがどこまで正しいものであるかはもちろん誰もわからない。 しかしその説明責任は菅民主党政権にあり、仙谷、岡田、前原、枝野 たちは知っている。外務官僚は知っている。 もう一つの不明な点は、あの事件は中国側が政治的に仕掛けた事件だ、 あの船長は中国政府の命令で犯行に及んだ確信犯である。漁船は単なる 漁船ではなく工作船だ、という俗説の真偽である。 これについてはその後、英雄のはずのあの船長が蟄居を命じられて 不遇な日々を送っていると言う報道が見られた。 だとすれば中国政府犯行説はおかしいという事になる。 私がこの事を思い出してメルマガに書く気になったのは、栃木県の地方 紙である下野新聞の9月9日の紙面で、共同通信の配信を引用した中国 漁船船長のインタビュー記事を見つけたからである。 その記事は共同通信の記者がその船長をわざわざ中国福建省普江市の 自宅に訪れてインタビューした記事である。 それによると、「この1年、一度も漁に出ておらず、仕事はなにもして いない」という。 インタビューを始めてまもなく近くの交番から警官3名が駆けつけ、 「取材は認めない」と警告してきたという。 ある地元当局者は「また海に出て問題をおこされたら面倒だ」と話して おり、船長は漁を禁じられているようだという。 帰国時、地元では打ち上げ花火とブラスバンド演奏による盛大な歓迎式 が行なわれたが、今は「全く話題にならない」(地元のタクシー運転手) と、住民の間では「過去の人」だという。 地元の漁師の一人はさらにこうまで言っているという。 「事件前と同じように漁に出ている。何も変わらない。(しかし)リスク があるので尖閣方面には行かないようにしている」 何のことはない。アレは中国の陰謀でも尖閣諸島領土化の既成事実化 でも何でもない。 民主党政権のお粗末な対応と外務官僚の無能さが引き起こした不要な 大騒ぎだったのだ。中国にとってもとんだ迷惑な事件だったのだ。 私はそう思っている。 そんな事を言われないためにも民主党政権は尖閣諸島沖の中国漁船衝突 事件についてウヤムヤに終わらせてはいけないのである。 国民にその真相を説明しなければならないのである。 それが出来ないところを見るとこの推測が当たっているということだ。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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