□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月10日第631号 ■ ============================================================= 大阪地検大坪元特捜部長らの公判が始まる前に書いておきたい ============================================================= これから書くことは一般読者にとってはあまり関心がないことだと思う。 仮に関心がある読者でも、特捜批判の読者がほとんどだろうから、これ から書く事に違和感を覚える読者が多いに違いない。 それでも私は書き残して置きたい。 9月12日に、押収資料改ざん不祥事の隠蔽罪に問われた大坪弘道元 大阪地検の特捜部長と佐賀元副部長二名の初公判が開かれる。 それが大きくニュースで取り上げられることだろう。 公判は続き、判決が出ても最高裁まで行くだろうから裁判は長期化する。 その都度検察批判の記事が繰り返されることになる。 それはそれでいい。 しかし正しい検察批判でなくてはならない。トカゲの尻尾きりで済ませて はいけない。巨悪を見逃してはならない。 そのためにも私はあえて大坪元特捜部長らに裁判で頑張ってもらいたいと 思うのだ。 それは決して大坪氏らを擁護するのではない。 この国の検察、裁判の真の不正義を糾弾したいからである。 村木厚労相局長の冤罪事件をきっかけに、この国の特捜検事の不当、不正 捜査が浮きぼりにされた。 それは歓迎さるべきことだ。 しかし特捜部の取調べの不正は長年にわたる組織的なものだ。 フロッピーの書き換えを行なった前田主任検事だけを有罪として終わら せるだけではいけない。 だから検察最高幹部は、前田の直属上司の検察幹部まで有罪にして世論 に対しけじめをつけようとした。 その事によってみずからの保身と検察組織を守ろうとした。 おりから次々と発覚する冤罪事件が世論を検察批判に向かわせた。 加えて検察審査会による小沢一郎の強制起訴が検察批判を後押しした。 この検察批判は、検察解体にまで及ぶほどの危機であった。 それをかわすために特捜部長という中間幹部を起訴することによって世論 に迎合して逃げようとした。 中間幹部といえどもその幹部が起訴、逮捕されることは検察組織から見れば 前代未聞のことだ。 だから最高首脳はそれで乗り切ろうとした。 しかし中間幹部と言えども所詮はとかげの尻尾だ。 大坪氏らは検察首脳の身代わりだ。 検察官僚たちは内心みなそう思っている。 大坪らが悔し涙を流し、最後まで戦うと誓い合った理由はそこにある。 一般国民からみればそれは単なる検察組織の内輪もめでしかない。 どうでもいいことだ。 そしてそれはその通りである。 しかし官僚を経験してきた者として、やはり官僚首脳の卑劣さを許すわけには いかない。 検察首脳の側につくこの国の権力の不正義こそ追及されなければならない。 もっとも、それだけなら私はこのメルマガを書かなかった。 私がこのメルマガを書こうと思った理由は、9月9日の毎日新聞紙上で元検事 の郷原信郎・名城大学教授が、大坪元検事らの起訴について、犯罪成立のレベル ではないと次のように書いているのを見つけたからだ。 「今回の公判では、前田元検事の改ざんを大坪、佐賀両被告が知っていたのか どうかが争点になっている。しかし、前田元検事の改ざんを認識していたとしても、 二人の行為が犯人隠避罪に本当に問えるのか疑問が残る。なぜなら、両被告には 積極的な隠避行為がない。最高検は二人が上司に虚偽の報告をしたと主張している が、報告が不正確だったというのは検察組織内部の対応の誤りに過ぎず、犯人 隠避罪が成立するレベルには達していないと思う・・・」 私は元検事の郷原信郎の言葉こそ正しいと考えてきた一人だ。 その郷原氏が、ここまで明言しているのである。 検察改革は中途半端で終わらせてはいけない。 取調べ可視化の実現や、小沢強制起訴の真相解明など、本当の検察改革が行なわ れるまで検察監視を緩めてはならないのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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