□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月7日第562号 ■ ============================================================= このままでは広島平和記念式典は風化していく。 ============================================================= かつて見たことのない低調な広島平和記念式典であった。 誤解がないようにはじめに断っておく。 それは平和や非核を願う広島市民や被爆者たちの事を言っている のではない。 この国の首相や広島市民を代表する広島市長のあいさつ、平和宣言 を聞いての印象を述べているのである。 広島平和記念式典の重要性は、やはりこれら日本や広島を代表 する政治家の広島平和記念式典に望む態度が重要なのである。 菅首相の挨拶に失望させられたことは、直前のメルマガ第561号で 書いたから繰り返さない。 私がここで言いたいのは松井一実広島市長の平和宣言についてである。 かつて広島平和宣言は平岡敬市長の平和宣言があった。当時私はそれを 在カナダの日本大使館公使としてオタワで聞いて、感動のあまりファン レターを書いた。 それに対し平岡市長からは著書「希望のヒロシマ」(岩波新書)ととも に丁重な返事が送られてきた。 秋葉市長は「核兵器は廃絶されるためにのみ、その存在意味がある」と いう名言を平和宣言の中で述べた。 それぞれ自分の言葉で核廃絶の強い思いを世界に発信していたのだ。 ところが今年の松井一実市長の平和宣言はどうだったか。 被爆者や核廃絶を願う人たちの言葉を借りて核廃絶を訴えることはあっても、 自らの信念を述べる言葉はない。 だからどんなに美辞麗句をならべても響かないのだ。 米国に核廃絶を訴えてもどこか醒めている。 松井一実市長は広島市長には珍しく自民党に支えられて当選した官僚出身の 市長であるという。 だから核兵器廃絶に熱心ではないのかもしれない。 しかし核廃絶をそのようなイデオロギーで捉えるべきではない。 官僚であろうと自民党支援者であろうと、平和と反核の思いは日本人として 最大のテーマである。 平和を訴える広島市長は日本の平和外交においては首相以上の重みがある。 そのような広島市長の重責を誰が背負うのかは決定的に重要である。 秋葉市長に文句を言うとすれば、在任中にそのような後継者を育てず、広島 市長だけは本物の核廃絶論者を途切れさせないようにしなかったことだ。 松井一実市長のような人物が広島市長を続ける限り、広島平和記念式典は早晩 風化していくに違いない。 それはこの国の政治において、護憲政党が衰退していく過程と見事に一致する ように思えてならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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