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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

あの時空襲警報さえ出ていれば  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月7日第560号 ■     =============================================================   あの時空襲警報さえ出ていれば        =============================================================  広島原爆記念日である8月6日の夜9時から10時の一時間、NHK スペシャル「原爆投下・いかされなかった極秘情報」という番組が流さ れた。  これを見た日本国民は果たしてどれだけいただろうかと思う。  この番組は国民必見の番組だ。世代を超えて語り継がれなければなら ない番組だ。  その番組を一言で言えばこうだ。  当時の軍の情報担当者はB29の爆撃を予知していた。テニアン島 からの発信を傍受していた。  しかしそれが生かされることはなかった。  その衝撃の事実が、生き残った当時の関係者の証言で見事に再現さ れた迫真のドキュメントである。  もちろん原爆とはわからなかったが、ただならぬ爆撃が襲来すること を予見し、それを参謀本部に連絡もしていた。  しかし上層部はそれをいかすことなく空襲警報は鳴らなかった。  情報をつかんでいたのに生かされなかった、それが悔しくてたまら ない、と証言する齢90歳を超える生き証人の言葉が胸をつく。  学徒動員された情報担当の女学生の一人は、直感的に防空壕に身を 潜め被爆を免れた。外にいた同僚たちは全員爆死し一人だけ生き残った。  その女学生が66年後、このNHKのドキュメントの中で述べた言葉 が表題の言葉である。  「あの時空襲警報さえ出ていれば・・・」  同僚たちは助かった。多くの原爆犠牲者は死なずにすんだのだ。  参謀本部の責任はこれだけではない。  3日後の長崎原爆投下の直前にも、テニアン島から発せられた同様の 電波が傍受されていた。軍の情報担当はそれを傍受して参謀に伝えて いた。  しかし間違いは再び繰り返された。  それどころか、軍の最高司令官の一人は、米国はこのような破壊的な 原爆を二度と使う事はないだろうとたかをくくっていたという。B29が 長崎に向かっていた、まさしくその時にである。  それだけではない。この史実を記した公式記録を隠滅せよとの司令まで 出されていたという。  何から何までフクシマ原発事故と同じではないか。  無能な司令官が対応を誤り、そのために放射線汚染の被害が広がった。 正しい情報が知らされず、いたずらに国民の犠牲が拡がった。  その検証がなされないまま、舞台は脱原発や復旧、復興に移ろうとして いる。  NHKの特別番組が流されていた丁度その時、民放はワイド劇場や クイズ番組、歌謡番組などを流していた。  果たしてどれだけの国民がNHKスペシャルを見ていたことだろう。  娯楽番組を見ていた国民を責めるつもりはない。  私もNHK番組の傍らチャンネルを回してそれらの番組を見ていた。  しかしNHKスペシャルはあまりにも貴重な番組であった。  少なくとも一部なりとも国民はそれを見るべきだ。  このような番組を作成し、それを流した、そのことだけで、これまで NHKに浴びせた批判が帳消しになるほどの番組だった。  NHKにはぜひこの貴重なドキュメントを何度も繰り返し再放送して もらいたい。  そしてその時は、民放番組のスポンサーはこの番組に敬意を表して自ら の広告費で流す番組を停止して、すべての国民がNHKスペシャルに集中 できるように配慮してもらいたい。  この番組が毎年8月6日の日に再放送される限り、生き証人がこの世を 去ってしまっても、原爆記念日は永遠に風化することはないだろう。                                 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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