□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月25日第530号 ■ ============================================================== 国際政治学者 坂本義和の言葉 ============================================================== 懐かしい名前を7月20日の朝日新聞に見つけた。 平和研究などで知られる国際政治学者の坂本義和東大名誉教授の ことである。 最近「人間と国家 ある政治学徒の回想」という著書を刊行した らしい。その事もあって、朝日新聞の論説委員である三浦俊章氏が インタビューした。 因みにこの三浦俊章氏は古舘伊知郎のテレ朝報道ニュースステー ションに時々解説者として登場している。 話はそれたが、私がこのメルマガで紹介したいのはインタビューに 答えた坂本義和氏の言葉だ。 特に中国批判のくだりはどの右翼的な批判より鋭い。 以下 断片的に紹介したい。 様々な議論があるでしょうが、知識人には二つの軸が不可欠だと思い ます。ひとつは現状に対する批判力。もうひとつは構想力。構想力とは、 間違った現状を超える、まだ存在しない社会のあり方を積極的に想像する 力と言えます・・・日本の場合、かつて「戦後知識人」という言葉がよく 使われましたが、だいたいは大学人でした・・・(しかし今は)知識は 大学の独占物ではありません。教育水準が上がり、市民が自分なりに勉強 して、外国のことも学び、日本と比較しながら、これでいいのだろうかと 考えるようになった(ため)わざわざ知識人という言葉が使われなくなっ たのです。 知識人という言葉はなくてもよいのですが、知識人がかつて示した批判 力と構想力は必要です。そうした力は、市民レベルで議論をしながら、 急速に積み上がっているのではありませんか・・・ 知識人の第二の条件である構想力はまだ弱い。たとえば今日の世界で 代表的な政治家と言ったら誰を思い浮かべますか。一時期はオバマ大統領 だったでしょうが、今やその輝きはありません。 しかし、それは単に政治家の力量が足りないのではなく、いま世界全体 で構造的な変化が生じていて、国家とか市場という20世紀の枠組みでは とらえきれない問題が起きているからです・・・(依然として国家の大国化 を志向する動きもあり、中国やインドは20世紀型の大国志向を強めている が)果たしてそれが続けられるのか、資源・環境問題ひとつとっても私には 疑問です。中国には外国の介入で国を分割された歴史への警戒感があるので しょうがチベット、ウイグル、内モンゴルなどに対するやり方は、漢民族 中心の支配の域を出ていません。それに中国の指導者は、抵抗や暴動が起き ても、それが何を意味するのか、中国民主化という不可避の未来を読む力が 弱い・・・ これからの主体となるのは、市民だと思います。国家や市場が何のために あるのかというと、結局は人間が人間らしく生きられるかどうか、そのため の手段ないし道具なのです・・・ 21世紀に求められる市民的知識人とは、国境を超えた連帯をつくりあげ、 人間の尊厳を互いに認め合うような立場に立つ人だと思います・・・今回の 原発事故で私たちがあらためて自覚したのは、原子力が人類の生死に関わる ということ、そして「ひとつの地球」という動かしがたい事実です。地球上 すべての命とグローバルな正義を基盤として考えねばならない時です。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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