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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 限りなく小さくなる日本のアジア外交
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月24日第526号 ■     ==============================================================    限りなく小さくなる日本のアジア外交    ==============================================================  久し振りに外交について書いてみる。  インドネシアのバリ島で開かれていた東南アジア諸国連合(アセアン) 地域フォーラム閣僚会議が閉幕した。  その報道を私はこれ以上ないほど残念な気持ちで読んだ。  そこでの二大テーマは南シナ海の領有権問題と北朝鮮問題である。  報道によればいずれも具体的な進展がなかったとされている。米中の 対立が埋まらなかったと報じられている。  しかしそれは表面的な見方だ。よく読めば米中とも解決策を見つける 努力をしている。領有権題についても北朝鮮問題についても、米中双方 にとって進展させたい理由があるからだ。  アセアン諸国にとっても米国の仲介で中国との領有権問題を解決した いと思っている。  おそらく11月の首脳会議に向けて外交駆け引きが継続されるに違い ない。  それに比べて日本の存在感はどうか。皆無だ。  尖閣諸島や竹島を抱えている日本は領有権問題の最大の当事者だ。 北朝鮮問題の最大の当事者は日本だ。  それにもかかわらず日本の影響力が皆無なのはなぜか。  それは長年にわたって対米従属に終始してきた日本外交が、日本外交の 最後の砦であるアジア外交までも放棄してしまったからだ。  東南アジア諸国連合地域フォーラムの始まりは1990年代初めであっ た。その当初の目的はアジア地域における信頼醸成であった。アジア集団 安全保障体制を目指すものであった。  そしてそれは憲法9条を有する日本が目指す最善の安全保障政策のはず であった。アジアの平和に日本が貢献できる最良の場であった。  マレーシアのマハティール首相が日本の主導で中国と韓国を入れた東ア ジア地域共同体を提唱したのもこの時だった。  しかし日米安保体制を最重視する日本は米国の圧力に屈し、日米同盟を 優先した。  それから20年余り立って、アジアは完全に米中二大軍事国家の影響下 に置かれるようになった。  もはや日本の出る幕はない。  それどころか日本は米中の間で密かに進められる外交から外されて気が つけば一人悪者にされてしまうおそれがある。    尖閣、竹島にこだわって中国や韓国と対立し、拉致問題にこだわって 6カ国協議の進展を妨げる邪魔者にさせらる。  日本が最大の援助を注いで国造りに支援してきたアセアン諸国は米中に 顔を向けることになる。  これほど残念で悲しいことはない。  7月24日の読売新聞は、23日に開かれた日米外相会談はわずか12 分(通訳を入れると実質的に3分)で終わり、菅首相の訪米問題など日米 間の話はまったく行なわれなかったと書いている。  退陣した菅首相の下では11月の東アジア首脳会談に向けての協議はで きず、日米同盟が損なわれると書いている。  それはその通りだ。  しかしいくら首相が交代しても、日米同盟重視という対米従属外交に変わ りがなければ日本のアジア外交に未来はない。日本外交は限りなく小さく なっていく。  菅首相の最大の罪は対米従属に先祖返りしたことだ。  しかし、その後に誰が首相になっても、米国から自立した平和外交のできる 指導者が現れない限り日本は変われない。  この事を指摘するメディアは皆無である。                                 了  

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