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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」10.5.19.発行第177号 「日米同盟を深化させたい」と繰り返す鳩山首相
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年5月19日発行 第177号 ■          ─────────────────────────────            「日米同盟を深化させたい」と繰り返す鳩山首相      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  もう勘弁して欲しいという気持ちにさせられた。  きょう5月19日の朝刊を読んでまた鳩山首相に失望させられた。  虫眼鏡で見ない限り見落としそうなわずか数行の小さな記事を毎日新聞に見つけた。  そこには次のように書かれていた。  「鳩山由紀夫首相は18日、今年改定50周年を迎えた日米安保条約について『(日本)単独で 自衛を考えた時のコストにくらべれば、はるかに低くなっているのは当然の事実だ。日米安保の下 で経済が発展してきた。日米同盟をこれからも深化させていきたい』と意義を強調した」  これが毎日新聞の記事の全文である。  しかしこの記事の中に鳩山首相の浅薄な日米同盟観のすべてが言い尽くされている。  これでは普天間基地問題が迷走するのも無理はない。民主党政権が対米外交で自民党政権と何も 変わらないのは当然だ。  この鳩山発言は岡本行夫外務省OBが最近盛んに言いふらしている事とまったく同じ発言だ。  岡本氏は最近の月刊誌その他で、米国や中国のように膨大な軍事予算を出せば日本も安全を確保できる。 しかしそんなカネが今の日本にあるのか。米国に守ってもらったほうが安上がりなのだ。などと、およそ 外交・安全保障の専門家が口にするには憚られるような粗雑な発言を臆面も無く繰り返している。  あたかも外交・安全保障など一般の国民は何もわかっていないと馬鹿にしているような粗雑な発言だ。  武力で安全を守ろうとすれば、いくらカネを使っても足りない。軍事強化で国が滅ぶ、それが歴史の 繰り返しであった。それを岡本氏が知らないはずはない。  しかも日米同盟は決して安上がりではない。我々は日米同盟のために在日米軍基地や米国製装備購入で どれほどの予算を使ってきたか。  軍需費ばかりではない。米国に守ってもらっているという理由だけであらゆる政策を対米従属に優先してきた。  それは米国債の購入による米国財政支援にとどまらず、日本の国民生活を犠牲にして日本の金融・財政政策を 歪めてきた。  いや、金銭的なものだけでは済ませられないもっと大きな犠牲を負担してきた。基地住民の犠牲や、日本国民 の分断という犠牲だ。その犠牲は数字ではかれないほど大きい。  それらを岡本氏は知らないはずはない。  岡本氏の作為的な議論に簡単に洗脳され、それを鸚鵡返しのように繰り返す鳩山首相には失望されるが、 もっと失望させられるのは、鳩山首相から憲法9条外交の発想が一言も出てこない事だ。  憲法9条を掲げた平和外交に邁進する事こそ、最も安上がりの安全保障政策であるということがどうして 鳩山首相の口から出てこないのだろうか。  鳩山政権が続く限り、少なくとも対米関係では自民党政権と変わらない。いや、今更どんなに米国との関係修復 につとめても、もはや米国は鳩山政権に猜疑心を持ったままだ。  米国に信用されないままで、米国の要求を飲み続けていくことはとられっぱはしということだ。最悪だ。  もろ手をあげて対米従属を進めた小泉自民党政権のほうがよっぽどわかりやすい。  そんな鳩山政権との連立政権にこだわり続ける社民党は、もっと罪深い。  私は日本の政治は、日米同盟重視を党是と公言する政党らと、日米同盟に明確に反対する政党にはっきり分かれた ほうがいいと思っている。  そして、今の政治状況を考えれば、日米同盟重視の政党が圧倒的多数を占めることになるだろう。  だからそのような政党が連立を組んで出来る如何なる政権も、対米従属政策から抜け出せないだろう。  しかし、たとえどんなに少数の政党であっても、「米国との軍事同盟を続けるかぎり日本の将来はない」と 政治の場ではっきりと唱えるあらたな平和政党が出来た時、その政党こそ、どのような政権が日本に出来ようとも、 その政権の無制限な対米従属政策に間違いなく歯止めをかける役割を果たすことができる。  日本共産党とは別の、イデオロギーに基づかない平和政党の現出。  社民党と違って、明確に日米同盟に反対し、憲法9条を掲げた自主防衛政策を掲げる平和政党の現出。  これのみが、これからおきるであろう保守連立政権と、その下で固定化されると思われる対米従属政策を牽制に 待ったをかけることが出来るのである。                                                    _______                      天木直人のメールマガジン 2010年5月19発行 第177号

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