□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月8日発行 第161号 ■ ───────────────────────────── 日米同盟是か非かの公正な議論を封印するメディア ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今でも鳩山首相を擁護する国民がいる事を知っている。 しかしそのような国民は、物事を政局がらみで見たり、この後に及んでも政権交代至上主義の 考えから逃れられない人たちであるに違いない。 安全保障論議に関心はなく、日米同盟も仕方がないと考える人たちに違いない。 日米同盟から決別することこそ政権交代後の最大の課題であると考える私とは根本的に立ち位置が 異なる人たちだ。 鳩山首相の最近の言動が、日本を日米同盟から解き放つために世を欺くものであれば別だが (もっともそれはそれで私は賛成しないが)、それを額面どおり受け取ると、私は到底鳩山首相を 支持することは出来ない。 そのような鳩山首相の最近の発言の中で決定的だったのは、海兵隊の抑止力が必要であった事を知った、 不勉強だった、だから沖縄県民にも負担をお願いするしかない、と述べた事である。 これが本心であれば、どうして私が鳩山首相を支持することができるだろうか。 彼には自分の頭で考えた安全保障政策がなかったということだ。しかも勉強するのはいいが、 学んだ相手が、米国の手先のような官僚や御用学者だったということだ。 決して日本国民のために自ら考えて下した結論ではなかった。 もはや私にとって鳩山首相は、日米同盟に関する限り歴代の自民党政権の首相と何も変わりはない。 それにしても、と思う。 今度の普天間問題の騒ぎの中で、いまこそ国民は日本の安全保障について真剣な議論をしなければ ならないとメディアも言い出すようになった。 その通りだ。 しかしその言葉とは裏腹に、メディアに出てくる議論は日米同盟重視ばかりである。 どうして日米同盟反対の意見を同じぐらいのウエイトで掲載し、流さないのか。公平な論争を起こして 世論を啓蒙しないのか。 たとえば今日(5月8日)の朝日新聞だ。 民主党の安全保障政策を論じる「耕論」に出てくる論者は、自衛隊一佐の佐藤正久参院議員、長島昭久 防衛政務官、神保謙慶応大学準教授と、軒並み日米同盟礼賛者だ。 神保氏は言う。北朝鮮の脅威と中国の台頭があるかぎり日米同盟の機能はゆるめるべきではない、と。 長島氏は言う。米国が公表した4年毎の国防政策の見直しであげられた米国の政策にどこまで日本が リスクを負って協力するかだ、と。 佐藤正久氏に至っては、自分が自衛隊を辞めて政治家になったのは自衛隊の海外派遣を可能にする一般法 をつくり、武器使用を可能にすることだ、とまで公言している。 これではまともな国民世論は育たない。 普天間基地問題で県外移転を主張しているのが、日米同盟を認めて政権にしがみついている社民党と、 共産主義のイデオロギーから脱却できない日本共産党だけでは、とうてい世の中の日米同盟礼賛の洗脳を 打ち負かす事はできない。 目の覚めるような論客がでてこないものか。 それとも日本国民はそういう論客を歓迎していないということだろうか。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年5月8日発行 第161号

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