□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月26日発行 第87号 ■ ───────────────────────────── パラリンピックと戦争 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こういう記事を掲載する東京新聞に心から敬意を表する。 3月23日の東京新聞にパラリンピックに出場していた二人の米国選手の事が紹介されていた。 その選手とはイラク帰還兵のヒース・カルフーン選手(30)とアフガニスタン帰還兵の アンディ・スール選手(29)である。 カルフーン選手は2003年、分隊長として赴いたイラク戦争で、乗っていた装甲車にロケット 弾が直撃。両足を失った。陸軍病院のリハビリで障害者スキーを知り、足がなくても健常者より 早く滑れるのがうれしくてスキーに没頭したという。 スール選手もアフガンに派遣されていた05年に爆弾で両足を失った。「足を失っても人生は続く、 走り続けられる」と、鬱屈したエネルギーをスキーに向けたという。 この東京新聞の記事は反戦について一言も言及していない。 長引くイラクとアフガンの二つの戦争で傷病兵が米国で増え続けていること、そして、その米国 では、傷病兵の多くを選手として育成しており、パラリンピックチームにおける元兵士の割合は 将来10-15%に増えるだろうということ、 この二つの事実を教えてくれるだけだ。 二人の米兵は観衆に強い印象を残した、と書いているだけだ。 しかしその意図するところは明らかだ。 パラリンピックに参加している選手たちは、様々な理由で障害者生活を余儀なくされた者たちだ。 その中でも、政治の犠牲で障害者になることを余儀なくされた者は、政治が正しければ障害者に ならずに済んだかもしれない。いや、間違いなく障害者にはならずに済んだ。 この東京新聞の記事は、国民を戦争の被害者、加害者に追い込む為政者の愚かさを非難し、その怒り を反戦という形でぶつけろ、と言っているように私には思える。 私はその記事を何度も読み返し、そこに掲載されていた二人の競技写真をじっと見つめながら、 自分自身の中に反戦の思いを掻き立てていった。 いかなる為政者も、国民を戦争に追いやる権利はない。そんな権力の間違った行使を絶対に許しては いけない。 最後に、私はこの東京新聞でまた一つ学んだ事を付加えておく。 パラリンピックの起源は、第二次大戦の傷病兵のリハビリとして始まったという。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月26日発行 第87号 バックナンバー: http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/

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