… … …(記事全文4,024文字)こんにちは、吉野愛です。
人は意見がみな違って当然なので、意見が通らない人を「愚人」と呼び、自分のことを「聖人」と思いがちですが、みな「凡人」に過ぎないと、聖徳太子は述べています。人には聖人も愚人もなく、共に凡人にすぎず、この世に完全無欠の人間はいないので、意見が食い違うのは当たり前なのです。『和を以て貴しとなす』とは、意見の対立を深めるのではなく、 和(やわらぐ)の状態をもって話し合いをしなさいと言う意味であります。
ならば戦争をする人たちに問いてみたいと思います。なぜ彼らは戦争をしたいのか?別に戦争が悪い事であるとは言ってません。大抵はコミュニケーション不足から勃発するでしょうが、戦争する意図をとことん尋ねてみればよいと思います。いつだって終戦後に勝利国の要求を通す条約が結ばれるのですから、最初に欲しいものがあるのでしょう。資源を求めて侵攻するのか?領土が欲しいから戦争するのか?人を殺したいから戦争をするのか?その意図は何なのか?それは本当に戦争を引き起こすほどの意図なのか?
二か月前から始まったガザ地区侵攻で、死者はすでに一万人を超えていますが、これではジェノサイドです。なぜここまで地区を絞って徹底的に人を殺すのでしょうか?田村由美の漫画『ミステリと言う勿れ』でも、主人公は「法律には人を殺してはいけないとは書いてないんですよ」と、淡々と説いています。人殺しの意図を政治家たちに是非聞きたいところですが、たぶん優生学的な返事が返ってくるのではないかと推測します。もちろんガザ地区の原因を作った人たちは故意的によるものだと思いますが、それでも今行っていることは偏った心理的状況下による意図から起きているのか?
令和は『和を以て貴しとなす』の時代なのですから、ニュートラルな心で納得いくまで議論すればよいかと思います。
目次
● 人間の限界を超越する能力
● 人工知能と人間の脳の融合
● 不老不死への深求
未来への羅針盤
吉野愛(文筆家、国際政治研究者)