━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/19 田代政弘検事が不起訴なら日本は暗黒国家そのもの 第232号 ──────────────────────────────────── 2010年2月4日、小沢一郎氏に対して不起訴の決定が示された。 1月15日に小沢氏の元秘書など3名が政治資金規正法違反容疑で逮捕された。 その共謀について、東京地検特捜部は小沢氏を不起訴とした。 しかし、逮捕され、取り調べを受けていた石川知裕衆議院議員は、2月1日時 点で、吉田正喜特捜副部長から、特捜部は小沢氏を不起訴とするが、小沢氏は 検察審査会を通じて起訴されるとの見通しを示されていた。 これは、見通しと言うよりも、検察の方針であったと思われる。 特捜の不起訴を待っていたかのように、検察審査会に審査が申し立てられた。 申立人は元産経新聞記者の山際澄夫氏だと伝えられている。 東京第五検察審査会は4月27日に起訴相当議決を行った。その際、審査に決 定的な影響を与えると見られる審査補助員弁護士には、米澤敏雄氏が委嘱され た。本来は、山下幸夫弁護士が選任されるはずだったそうだが、それが、ヤメ 検弁護士の米沢氏に振替らええた。 これを受けて検察は再捜査を行った。 その際、東京地検の田代政弘検事が石川知裕氏の事情聴取を行った。 この事情聴取内容のポイントは以下の五点だ。 第一に、取調べの田代政弘検事は、小沢一郎氏が起訴されないことが石川氏に とって最重要であるとの理解者を演じ、徹底して、田代氏は小沢氏の起訴を避 ける立場に立っていると石川氏に信じ込ませたこと。 だが、真実は正反対だった。田代氏は検察審査会が小沢氏に起訴議決をさせる ために行動した。しかし、言葉巧みに石川氏を安心させ、完全にだまし切った。 第二に、検察が石川氏に対する事情聴取で獲得を目標にしたことが二つあり、 そのひとつが、「小沢氏に報告し了承を得た」という供述調書記載内容を石川 氏に維持させることであった。 田代検事はこの目的を果たすために、石川氏に対して、まったく逆の説明を繰 り返した。すなわち、田代氏は石川氏に対して、「小沢氏に報告し了承を得 た」との発言を維持しなければ、検察審査会が小沢氏対する起訴議決を行う可 能性が高いと繰り返し説得したのだ。… … …(記事全文6,242文字)
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植草一秀(政治経済学者)