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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第2422回 習近平文化大革命宣言 
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ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2021083108141584289 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか     2021/08/31        第2422回 習近平文化大革命宣言  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■習氏の取り締まりは中国全体に及ぶ「変革」-国営メディアが論評掲載 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-30/QYMWHBDWLU7001  習近平は「資本集団から人民大衆への回帰」であり、「資本中心から人民中心への転換」だとし、「中国共産党の初心への回帰」だと説明。それ故「これは政治変革であり、人民が再びこの変革の主体になりつつある。この人民中心の変革を阻む者は全て処分される」と宣言した。。 ★中国 明日から新学年 中国統一の「国定教科書」とそれに基づくカリュキュラム以外の初等教育が禁止されます。すでに営利目的の教育事業が禁止されており、外国からのリモート教育なども禁止、外国資本の教育への関与も禁止されています。そして、ゲーム禁止令も出され、未成年は週末3時間のみしか許されなくなりました。また、ゲーム、カラオケ、映画、書籍に対する検閲も強化されており、「国定教科書」の内容に沿った「正史」以外の内容は禁止、中国の国益にそぐわないもの、民主化の扇動や暴力的なコンテンツも禁止されています。 また、タレントもネットタレントVtuberなどに対する監視が強化され、事実上活動できなくなりました。 そして、セルフメディアと呼ばれるネットメディア等の活動が事実上できなくなり、国営放送、国営メディアなど「大本営発表」のみが許されることになりました。 香港に関しても、映画などの検閲が強化され、過去の作品も民主化をうたうものや暴力的なコンテンツは上映禁止になっています。  現在のところ、これは中国国内向けのみの規制ですが、中国企業が海外向けに行う活動に関しても、今後規制が入る可能性が高いといえます。また、中国という巨大な市場が失われることで中国のコンテンツ企業のビジネスモデルが崩壊する可能性があります。  例えばゲーム業界ですが、未成年に対する国内向けが週3時間までに規制されたことで、アプリゲームなどのビジネスは非常に困難になるでしょう。現在は未成年者に対する規制ですが、抜け穴を考えた場合、成人のアカウントを利用してゲームを楽しむ未成年が増えるのだと思います。そうなれば、必ず穴を埋める規制が出てくると考えられるわけです。結果、成人のアカウントに関しても規制が強化される。  そして、これはゲーム業界だけの問題ではない。ゲームの製作にはプログラマー、アニメーター、音楽家なども関係しており、関連する業種全体に負の影響を与えることになる。また、海外向けに関しても、国内で禁止されているコンテンツを輸出用に生産してよいのかという議論も出てきます。必然的に海外向けのコンテンツ生産には、海外のマーケットに合わせた調査や内容が必要になり、西洋などの文化へのリスペクトが必要になるわけです。  習近平は西洋の文化や教育価値観「普遍的価値観」を否定しており、これが今回の文化大革命の根底にあるわけです。これを考えた場合、人と情報の遮断が進む可能性が高いといえるでしょう。 ★中国の不動産バブル崩壊が「見える化」してきました。バブルははじけてからわかるものです。リーマンショックも2006年の年末のサブプライム融資会社の破綻から2007年のBNPパリバによるサブプライム証券の償還停止、2008年のリーマンショックと進みました。  大手デベロッパーである恒大集団、華夏幸福基業の破綻危機、中国4大銀行の一つ工商銀行配下の不良債権受け皿会社である華融問題に加え、大手保険会社にその被害が拡大を始めました。リスクの連鎖の条件が整い始めているわけです。 この状況で中国は文化大革命ともいえる企業への規制を強化しており、海外からの資金調達にも問題が生じることになっています。  そして、文化大革命宣言を行った習近平はこれを是認する可能性が高い。 ■中国深改委会議、資本の無秩序な拡大防止で初期成果  https://jp.reuters.com/article/china-economy-idJPKBN2FV1F6?il=0 ■中国、ゲーム業界規制を強化-未成年は週3時間のみ利用可能 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-30/QYNCDTT0AFB701 ■中国規律検査委、ネットで人気の飲食店の監督強化求める https://jp.reuters.com/article/china-regulations-restaurants-idJPKBN2FV06L?il=0 ■中国、自国経済に有害なコンテンツ一掃へ-ネットで2カ月取り締まり https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-30/QYJHWWT0G1KW01?srnd=cojp-v2 ■中国プラットフォーム大手、「セルフメディア」アカウント是正へ https://jp.reuters.com/article/china-regulations-internet-idJPKBN2FV04Y ■中国美団、3四半期連続の赤字に 独禁調査で罰金の可能性も警告 https://jp.reuters.com/article/meituan-results-idJPKBN2FV0PT?il=0 ■中国華融、20年通期は赤字1.75兆円-21年上期黒字も難路続く (訂正) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-30/QYMISDDWLU6A01?srnd=cojp-v2 ■中国平安保険、上期は15.5%減益 華夏幸福基業への投資で損失 https://jp.reuters.com/article/idJPL4N2PX2NI ■Chinese regulator investigates Ping An Insurance real estate investments: Reuters Canada Express News https://bit.ly/3jrcIHY ■ドイツ総選挙、社民党が支持拡大 左派政権誕生の公算高まる=調査 https://jp.reuters.com/article/germany-politics-idJPKBN2FV1R0?il=0 ■マネロン対策、日本は実質「不合格」 国際組織が審査 https://jp.reuters.com/article/japan-money-laundering-idJPKBN2FV0QW?il=0 ■菅首相が二階幹事長と会談、経済対策の策定指示 総裁選も議論 https://jp.reuters.com/article/idJPL4N2Q11UC?il=0 ─────────────────昨日の市況──────────────── ■東京マーケット・サマリー https://jp.reuters.com/article/tokyo-markets-idJPKBN2FV0LH?il=0 ■アジア株式市場サマリー:引け(30日) https://jp.reuters.com/article/idJPL4N2Q11M2 ■欧州市場サマリー(30日) https://jp.reuters.com/article/idJPL4N2Q13OV?il=0 ■NY市場サマリー(30日)S&P・ナスダック最高値、利回り低下 https://jp.reuters.com/article/ny-markets-summary-idJPL4N2Q143T 記載なきもの出典 ロイター Bブルームバーグ ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら   ⇒ https://foomii.com/mypage/ ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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