Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

成果が何ひとつ見えてこない今度の安倍訪中
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018年10月25日第674号 ■   =============================================================       成果が何ひとつ見えてこない今度の安倍訪中 =============================================================  安倍首相が国会で所信表明演説をしながら、代表質問から逃げたのは2007年の第一次安倍政権の時だった。  あの時は辞任だった。  しかし今度は違う。  中国へ高飛びだ。  そして、今度はあの時のような敵前逃亡ではない。  立派な外交だ。  なにしろ、民主党政権の野田首相以来、冷え込んだ日中関係の改善を象徴する7年ぶりの日本の首相の公式訪問である。  さすがの野党も、代表質問を後まわしすることを認めざるを得なかった。  ところがである。  7年ぶりの日本の首相の公式訪問であるというのに、どのような成果があるのか、どの新聞記事を見てもさっぱりわからない。  きょう訪中するというのに、その成果を言い当てる記事は、きょうのどの新聞も教えてくれない。  それどころか、主要な政治・外交問題について立場の違いばかりが目立つ。  北朝鮮の非核化問題しかり、  中国の南、東シナ海軍事進出問題しかり、  尖閣問題しかり。  米国の保護主義に対する対応しかり。  東シナ海油田の共同開発問題しかり。  一体、今度の安倍訪中の目玉は何なのか。  そう思っていたらきょう10月25日の朝日が教えてくれた。  今度の訪中は、来年6月に大阪で開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20)にあわせて訪日が有力視される習近平主席の訪日の地ならしだと。  今回の訪中では見送られる事になった「第5の政治文書」を、その時までに準備するための模索のための訪中であると。  すなわち、日中国交正常化文書である1972年の日中共同声明(田中政権)、日中平和友好関係を謳った1978年の日中平和友好条約(福田赳夫政権)、アジア金融危機による困難克服を目指す1998年の日中共同宣言(小渕政権)、日中関係を「戦略的互恵関係」と位置づけた2008年の日中共同声明(福田康夫政権)につぐ、第五の政治文書の事である。  なんということか。  今度の安倍訪中では何の文書、声明も出さず、習近平主席訪日にそなえた露払いであるというのだ。  民間経済協力や日本の対中ODA停止などが唯一の成果であるとしたら、7年ぶりの日本の首相の訪中にしてはあまりにもさみしい。  やはり今度の訪中は無理があったのだ。  「両首脳の相互訪問の実現」という見せかけの日中関係改善を急いだだけの安倍パフォーマンス訪中だという事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年5月19日に利用を開始した場合、2024年5月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年6月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する