□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月1月20日第69号 ■ ============================================================== 退任あいさつで漏らした杉山外務事務次官の軽口は更迭ものだ ============================================================= きょう1月20日の毎日新聞が一段の小さな記事で書いた。 外務省の杉山晋輔事務次官が19日退任し、政務担当外務審議官の秋葉剛男氏が後任の次官に就任したと。 そこまでは単なる人事交代の記事だ。 しかし私の目の止まったのは、その後に続くつぎのくだりだ。 交代式で杉山氏は、北朝鮮の核・ミサイル問題などの対応に追われた約1年半を振り返り、「心の底から、天井が抜けたような開放感を味わっている」とあいさつしたというのだ。 「もうミサイルが飛んできても電話を取る必要はなない。昨夜はぐっすりと熟睡できた」と職員を笑わせたという。 この発言は看過できない不謹慎な発言である。 杉山氏は退職してただの人になるのではない。 29日から駐米大使として赴任するのだ。 うれしさのあまり、うっかり軽口をたたいたつもりだろうが、これは本省を離れ、東京を離れれば、後は遊んでいられると言っているようなものだ。 そしてそれは実態を見事に表している。 およそ大使の仕事は、真面目にその任務を遂行しようとすれば、体がいくつあっても足らないほど大変だが、手抜きをしようと思えば、いくらでも手抜きのできる仕事なのだ。 杉山氏は、念願の米国大使を手に入れたから、後は気楽に仕事を流すと言っているようなものなのだ。 ただでさえ北朝鮮有事がささやかれている時である。 米国が先制攻撃をしたら、その責任は在米国大使にも大きくかかって来る。 そんな重要な人事を託した杉山氏が、こんな軽口をたたいたのだ。 メディアは大騒ぎをすべきだ。 野党は国会で追及すべきだ。 こんな発言をするような人物を、そのまま大使にすることは、他の主要国ではまずありえない。 安倍首相の人事は一事が万事である。 みずからに忠実なものばかりを重用し、楯突くものは正論であっても受け付けない。 まともな外交ができるはずがない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)