□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月12日第217号 ■ ============================================================== 辺野古和解の舞台裏で安倍政権が司法介入していたと書いた日経 ============================================================== 辺野古移設問題で、安倍首相が突然和解受け入れを発表した事について、多くのメディアは次のように解説していた。 すなわち安倍首相や菅官房長官は1月末に福岡地裁那覇支部が和解案を提示した時、その受け入れに慎重であったが、法務省から裁判で勝てないおそれがあるという情報が伝えられ、急きょ受け入れに転じたと。 それだけでも安倍政権が司法介入していたことを疑わせる十分な報道であるが、もっと明確な司法介入の証拠を見つけた。 きょう3月12日の日経新聞「真相深層」が書いた。 すなわち、和解を受け入れる決断に際し、安倍首相がこだわったのは、昨年末の日韓合意と同様「不可逆性」であったと。 そして、安倍首相が辺野古和解に受け入れを決断した決め手は、今度の和解を受け入れた後に再び訴訟合戦にならないという「不可逆性」が確認されたからだと。 その舞台裏はこうだ。 和解受け入れで国と県が応酬し合っていた訴訟はすべて取り下げられる。そして、今後は、翁長知事が新たに提訴すると想定される埋め立て承認取り消し訴訟の違法性を争う訴訟に一本化される。その時の最大の懸念は、果たして国がこの新たな違法確認訴訟に勝てるかどうかだ。なぜならば、今度の国と県との和解受け入れ合意では、この新たな違法確認訴訟の「結果が出たら双方が従う」となっているからだ。 私が驚いたのは日経新聞のその記事が次のように舞台裏を明かしたことだ。 「・・・菅氏(官房長官)は法務省幹部らと協議し、『勝てる』と判断した・・・菅氏らの報告を踏まえ、首相は(3月)4日午前、最終的に決断した。『不可逆性を担保できるなら、それでいこう』」と。 これは紛れもない司法介入だ。 つまり菅官房長官は法務省を通じ、今後翁長知事が再び埋め立て工事承認取り消しの訴訟を提訴しても、裁判所は今度こそそれを認めないという確約を得ていたのだ。それを菅官房長官から聞いた安倍首相は、受け入れの最終決断をしたというわけだ。 安倍首相が和解を受け入れたこと知って翁長知事も和解を受け入れた。 しかし、その背景にこんな事があったとはもちろん翁長知事は露とも知らなかったに違いない。 よくも日経新聞はこのような内幕を暴露したものだ。 翁長知事の沖縄は、この安倍政権の司法介入を知って、和解合意の白紙撤回に動かないのだろうか。 すべてをぶち壊しかねない日経新聞の「真相深層」の記事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)