□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月17日139号 ■ ============================================================== 京都補選に不戦敗を決め込む自民党の野党共闘つぶし ============================================================== 京都3区から選出された宮崎謙介衆院議員が前代未聞の不倫事件で辞職した。 その補選を巡って自民党が追い込まれている。 ついに勝てないと見込んで、自民党が候補者を立てず不戦敗を覚悟したらしい。 実に16年ぶりの不戦敗であるという。 たしかに宮崎議員の不倫事件はあまりにもひどい不祥事だ。 公認を立てても当選は容易ではなく、公明党も選挙応援はしづらいだろう。 自民党の不戦敗もやむなしと思われる。 しかし、これを自民党の一方的な譲歩だと考えるのはおめでたい。 不戦敗は、戦って負けるよりはましだ。 北海道の補選が勝利確実な中で、京都に候補者を立てて一勝一敗に終わるよりも北海道補選の勝利を参院選につなげた方が傷が浅い、そう考えても不思議はない。 そして、もっと積極的な深謀遠慮がある。 それは野党の選挙協力妨害だ。 野党の分断だ。 京都は共産党の金城湯池だ。候補者を立てない道理はない。 その一方で、民主党は自らの議員を増やすこれ以上ないチャンスだ。 はやばやと公認候補を決め、維新がその候補を推薦することで一致したらしい。 その一方で、おおさか維新の会も独自候補者を立てるという。 それはそうだ。 自民党が候補者を立てない選挙に勝たなければ、勝つところはない。 かくて野党間の選挙争いが始まる。 自民党の京都補選見送りは、野党分断であり、何よりも民主党・維新の党と共産党の分断なのである。 転んでもただでは起きない自民党と、この期に及んでも野党共闘が出来ない民主党・維新と共産党。 京都補選は決して野党にとって幸運ではない。 いや、むしろ、幸運を活かしきれない野党の絶望さ加減を露呈することになるかもしれない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)