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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

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石原慎太郎が「天才」(幻冬舎)を書いた背景にあるもの 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月2日103号 ■   ==============================================================   石原慎太郎が「天才」(幻冬舎)を書いた背景にあるもの   ==============================================================  きょう2月2日の意日経新聞「記者手帳」にこういう書き出しの記事を見つけた。  「作家で元東京都知事の石原慎太郎氏がこのほど出版した小説「天才」(幻冬舎)が永田町で話題だ。ロッキード事件や日中国交回復など波乱の生涯をたどった田中角栄元首相の幼少期から死去までを「俺」という一人称で振り返る異色の内容だ・・・」  永田町ならずとも興味がある。  そして私はこれは安倍首相の長期政権に向けた奇策のひとつに違いないと見ている。  甘利の後継に安倍首相は石原伸晃を選んだ。  どう考えても奇妙な人選だ。  しかし、これは自民党の最大で最強の派閥抗争であった福田派と田中派の争いに終止符を打ち、挙党体制で安倍政権を乗り切ろうとしているということだ。  そのカギは二階総務会長が握っている。  発売中のサンデー毎日最新号(2月14日号)には、田中政治を懐かしむ特集号が始まり、その第一回目として二階俊博総務会長に登場させて田中角栄を絶賛させている。  その二階を、安倍・菅政権は、麻生、甘利を切り捨てて安倍政権の中枢に置いたところまでは「選択」が書いた。  次は石原慎太郎だ。  二階は田中派だから田中角栄を絶賛するのは当然だ。  しかし石原慎太郎は福田派だ。  田中角栄批判の急先鋒だった。  その石原慎太郎が、突如手のひらを返したように。一人称で田中角栄の自伝を書いたのだ。  おりから田中角栄の妾腹の息子である田中京なる人物が日刊ゲンダイに連載を始めた。  それを読むと明らかだ。  田中京は次期参院選で立候補する事は確実だ。  そしてその田中京は、私の知人の紹介で近く二階に面談することを、私は偶然にもその知人から聞いた。  当然のことながら、田中京は田中真紀子とは相いれない。  これは格好の田中真紀子潰し、民主党潰しであり、安倍首相の日中関係改善のつなぎ役として使える。  これを要するに、仇敵田中角栄までも利用して、安倍長期政権をはかろうとする菅官房長官の智略に違いない。  石原慎太郎を通じて橋下徹を説得して政界復帰をさせる。  そのためには石原伸晃を甘利の後任として登用して貸をつくる。  そこまでは誰でも推測できる。  しかし石原慎太郎を使い、田中角栄待望論の国民まで味方につけようとする。  福田派が田中派を取り込めば、ただでさえ消えてしまった宏池会など存在しないも同然だ。  自民党を支配できるのだ。  そしてこれは同時に小沢一郎の影響力を完全に潰すことでもある。  「選択」の記事はこの事について何も書いていない。  しかし「選択」の記事を読んだ私は、直感的に、安倍・菅コンビのさらなる深謀遠慮に思い至ったのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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