□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月2日第100号 ■ ============================================================== 甘利事件は終わった ============================================================== 週刊文春が甘利疑惑を報じた直後、私はまっさきに「甘利は終わった」と書いた。 そしてその通りの展開になった。 今度は「甘利事件は終わった」と予言する。 それは甘利事件の追及が終わるということではない。 むしろ逆だ。 メディアは甘利事件の詳細を報じ続けるだろうが、その事が政局につながらないという意味である。 政局につながらない、つまり安倍政権にとって痛くもかゆくもない以上、国民は甘利の疑惑や、ましてやその秘書の犯罪的行為など、どうでもいいのだ。 甘利や甘利の秘書がどうなろうとも国民は関心なく、それを執拗に追及する野党もまた国民から見放される。 これが私がいう「甘利事件は終わった」という意味である。 なぜかくも簡単に甘利事件が終わろうとしているのか。 それを言い当てるのがこのメルマガの趣旨だ。 すべては甘利の電撃辞任にある。 確かに、あの長たらしい記者会見の最後で、甘利が辞任を語り始めた事は衝撃的だった。 直前までためらっていた甘利を切り捨て、安倍首相に「泣いて馬謖を切らせた」のが菅官房長官だったのだ。 その背景を、発売されたばかりの情報月刊誌「選択」最新号(2月号)が見事に書いている。 つまり安倍長期政権をすべてに優先する菅官房長官が甘利を見捨てたというのだ。 それだけではない。 鈴木宗男に毒まんじゅうを食らわせて寝返りさせた。 宜野湾市長選では、公明党と下地を抱き込んで6000票の大差をつけて勝った。 ちなみに菅官房長官はこの宜野湾市長選に自らの政治生命をかけていたという。 宜野湾市長選に臨む気迫が違ったのだ。 鈴木宗男にしても下地にしても、その篭絡の裏には二階総務会長の力がある。 すなわち菅は二階に頭を下げて協力を乞うたのだ。 そして、甘利の後釜に、麻生が嫌う石原伸晃を、麻生の頭越しに据えた。 つまり「選択」が言わんとすることは、安倍・麻生・甘利・菅のカルテット内閣から、安倍・菅・二階の「ニュートリノ」内閣にシフトして、より強固な安倍長期政権をつくったという事だ。 私はこの「選択」の読みは当たっていると思う。 そうであれば、安倍を支えている4本柱の一つである甘利を失った事は「安倍政権の終わりの始まり」だ、などという見方がピント外れであることがわかる。 いや、その危機を逆手にとって、安倍長期政権に向けて菅官房長官が先手を打った、という見方が正しいだろう。 そして見事に安倍内閣支持率は悪化しなかった。 それどころか上がっている。 菅官房長官はしてやったりとほくそ笑んでいるに違いない。 菅官房長官には、もうひとつ、だれにも真似のできなかった事がある。 それは人事権を使って官僚を100%コントロールしているところだ。 ここまで官僚を権力で屈服させた政治家はいなかった。 おそるべし、菅官房長官。 これが今の安倍政局の現実だ。 左翼や市民団体が打倒安倍をいくら叫んでも安倍・菅暴政は倒せない。 正しい保守が立ち上がり、国民を覚醒させて、この前代未聞の暴政を倒すしかない。 それが新党憲法9条宣言である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)