□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月9日第24号 ■ ============================================================== 天皇陛下のフィリピン訪問は政治利用だと書いた週刊文春 ============================================================== きょう1月9日の各紙が1月26日からの天皇・皇后両陛下のフィリピン訪問を報じている。 昨日8日の閣議で報告されたからだ。 この記事をみて私は発売中の週刊文春新年号(1月14日号)の記事を即座に思い出した。 その記事は「安倍政権と狙いが珍しく一致した天皇皇后のフィリピンご訪問」と言う記事だ。 すなわち、平和を希求される両陛下と、国民の反対を無視して安保法を強行成立させた安倍首相とは正反対だが、フィリピン訪問についてはそれを願うことで一致した、という記事だ。 すなわち戦禍の犠牲者の慰霊を願って訪比される天皇と、中国包囲網の最大の協力国フィリピンを重視する安倍首相の願いが一致したというわけだ。 しかし、週刊文春のその記事が言いたい事はその事ではない。 その記事の中にこういうくだりがある。 「宮内庁記者は『安易な皇室利用だ』と警鐘を鳴らす」 宮内庁記者の言葉を借りた痛烈な安倍批判だ。 安倍首相が中国包囲網を唱える時、真っ先にそれを支持して来たのがフィリピンのアキノ大統領だった。 そのアキノ大統領が昨年国賓として訪日し、今度の天皇・皇后のフィリピン訪問はその答礼である。 すでにその時に決まっていたのだ。 新憲法の下では象徴天皇は政治に直接介入出来ない建前だ。 しかし、いまの天皇はギリギリのところまで政治的メッセージを送り続けられている。 それほど安倍政権の外交姿勢を危惧されているということだ。 「今年も皇室と政権との関係から目が離せない」 そう週刊文春の記事は締めくくっている。 両陛下のフィリピン訪問を報じる大手メディアこそ、この事を書いて国民に知らせるべきである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)