□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月16日第792号 ■ ============================================================== いまの日本を物語るきょう7月16日の朝日新聞のトップ紙面 ============================================================== きょう7月16日の朝日新聞の一面トップに掲載されている記事は4つであり、その見出しはこうなっている。 1。50キロ先住宅地にも粉塵 原発がれき撤去 京大調査 2。老々介護世帯5割 子供貧困率悪化 厚労省調査 3。オスプレイ東日本初飛来 4.集団的自衛権国会集中審議 自衛官の命 首相語らず その一つ一つを解説するまでもない。 1は、東電任せにしてきた原発事故の収拾がまったく不十分なまま三年四か月が経ち、放射線被害の危険性がどこまで放置されているかわからない状態が続いているということだ。 2は、国民生活がいかに苦しく、悲惨なものになっているかだ。きのう7月15日に発表された厚労省の国民生活基礎調査なるものからの抜粋だ。その内容を詳しく見ると、日本国民の暮らしがいかに苦しくなっているかもっと詳しく書かれている。よくもこのような調査を発表して政府は平気でいられるものだ。 3は、日本全土の沖縄化である。私が繰り返し指摘している通り、沖縄の軽減負担という掛け声の下で、その実態は日本全土の基地化、沖縄化が進んでいるということだ。ついこの間までオスプレイの危険性、不具合性があれほど騒がれ、政府も世論に押されて慎重姿勢を見せていたのに、いまや開き直った如くだ。いまもあの時も、米国のやりたい放題であり、おまけに米国帰りの小野寺防衛大臣はいまやオスプレイの安全性を絶賛し、自衛隊が血税でオスプレイを購入して日本全土に飛ばすという。この様変わりに対して、もはや誰も抗議の声を上げない。メディアはその問題を指摘しない。 4は、書くまでもないだろう。14日、15日の両日に開かれた国会の集中審議は私の想定通り、あまりにも不毛なものであった。これを報じるきょう16日の朝日の記事の見出しは、「歯止めになれぬ 国会の現実 迷う野党、首相追及しきれず」である。こんな国会が憲法9条を否定する安全保障基本法や自衛隊関連法の改正を行うのだ。 実際のところ衆参の国会審議はひどかった。自公政権の議員の八百長質問の時間がほどんどだ。維新やみんなの党などは集団的自衛権行使容認だ。野党第一党の民主党はいまでも方針が定まらない。護憲政党の質問時間はあっというまに終わり、しかも一本化されず、それぞれが競い合っている。 このまま行けば、どんなに安倍自公政権が無茶苦茶な政治を強行しようとも、誰もそれを止める事は出来そうもない。 権力を握り、政策を独り占めしている与党政治家や官僚は支配者だから当然としても、被支配者であるメディアや経済人や有識者たちは、これで本当に国民生活が守れると思っているのだろうか。 誰ひとり、本当に誰ひとり、いまの政治を変えようとするものはいない、何とかしなければいけないと立ち上がるものはいない。 これまでの人生で、こんな日本を見たことが無い。 日本がこんなみじめな国になるとは思いもしなかった。 本当に安倍政権がこのまま続いていいのか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)