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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

保阪正康氏が教えてくれた旧軍人の言葉
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年1月11日第28号 ■     =========================================================                          保阪正康氏が教えてくれた旧軍人の言葉      ===========================================================  私は東京都知事選に田母神氏が立候補したことを内心歓迎している。  彼は東京都知事選のために東京都の防災対策に自衛隊を活用するなどというおとなしい事をいまは言っている。  しかし彼の存在意義はその国粋的右翼性にある。  選挙戦が始まったらヒートアップしておのずとその過激な歴史認識や国防論に言及せざるを得ないだろう。  そしてそれはまさしく安倍首相の自己矛盾をあぶりだすことになる。  米国が決めた戦後のレジームを否定する歴史観を持ちながら、対米従属の日米軍事同盟に頼らざるを得ない自己矛盾のことである。  私が田母神氏との共著で「自立する国家へ!」(KKベストセラーズ)という対談本を世に問うた最大の狙いはまさしくそれを白日の下にさらすことにあった。  あの本は、左翼からも右翼からも不評だった。  田母神氏との共著を出すような私は左翼を失望させた。  あの本でもっと失望し怒ったのは愛国右翼だった。  戦後レジームからの決別を唱えながら日米同盟から自立できない愛国右翼のジレンマはそのまま安倍首相のジレンマであった。  その矛盾を、よりによって彼らのアイドルである田母神氏を使ってあぶりだしたのがあの本であった。  しかしいくら怒ってもあの本で私が浮き彫りにした安倍首相の安全保障政策の自己矛盾はこれからますます表面化せざるを得ないだろう。  米国から自立するためには自主防衛を強化せざるを得ない。  しかし安倍首相の自主防衛強化は憲法を変えて軍事力を強化することだ。  その先には核武装がある。  しかし軍事力を強化する形で米国との対等を目指すことは米国の警戒心を強める。  米国に警戒を抱かせずに、対等な自主、自立国家を目指すには憲法9条の精神を掲げるしかないのだ。  私の言う「憲法9条こそ最強の安全保障政策」である。  細川氏の立候補は脱原発だけが注目されている。  しかし細川氏と言えば忘れてならないのが日米同盟よりアジアの集団的安全保障体制を優先させたあの樋口レポートである。  細川氏は元祖「憲法9条安全保障政策論者」であり、私が彼に期待するのはまさしくその外交・安全保障政策である。  外交・安保政策における安倍首相の否定である。  前置きが長くなったが、私がこのメルマガで言いたいことは、旧大日本帝国軍の幹部が、敗戦を契機に、戦後の日本の最善の国防策は憲法9条である、と語っていたという事実である。  それをきょう1月11日の毎日新聞「昭和史のかたち」の中で保阪正康氏が教えてくれた。  あの石原莞爾は、昭和20年12月に著した「新日本の建設とわが理想」の中で断言しているという。  戦いに敗れた以上はきっぱりと深く軍をして有終の美をなさしめて、軍備を撤廃した上、今度は世界の世論に、我こそ平和の先進国であるぐらいの誇りをもって対すべきだ、と。  陸軍中将の遠藤三郎という人物に至っては次のように説いたという。  「日本国が国防の事を忘れているとか、あるいは国防が憲法以前のものであるとか申す者もおりますが、それは当たっておりません。日本国憲法は明らかに国防の神髄を示しております」  そう言って、軍備を保持する努力を「内にあっては民生の安定に、また外に対しては諸外国との友好促進」に用いればよい、国防とはそのことを指す、と指摘したという。  まさしく私の言う憲法9条こそ最強の安全保障政策ということだ。  私が細川氏に望むことは日米同盟から決別した平和な日本の国防政策の提唱と実践である。  それはこれまでの日本の保守政治家の誰もがなしえなかったことである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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