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　　　　　　　　　　　　年3000冊読破の読書王！
                   中島孝志の読む！通勤快読 宅配便


                            2017年2月20日


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　古代を実感することを通して、日本人の心の奥底を開示した稀有な思想家折口信夫の文章に惹かれる著者が、その未来的な思想を鮮やかに描き出す1冊だとか。

　折口信夫というと、國學院出身の民俗学者、国文学者、国語学者であり、釈迢空と号した詩人・歌人でもありました。民俗学者の柳田國男の弟子でもあり、またライバルでもありました。

　柳田が強調した日本人の霊魂観は、平たく言えば、「死んでも遠くへ行かない」。祖先の霊魂は現世から隔絶した遠い場所へ行ってしまうのではなく、近くの山や海等にとどまり、しかもあの世とこの世は行くも帰るも容易かつ頻繁である、というものでした。

　ところが折口は「マレビト」という発想を発明するのです。

　「マレビト」とは「稀人」であり、「異界からの訪問者」のことです。私たちの心の中には、異界から来たものを歓待したり崇めたりする習慣があります。死霊が棲む「常世」から守ってくれる祖先たちの霊が現れ、異界から来たものは豊穣をもたらす、という精神文化を持っています。

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