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メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

植草一秀(政治経済学者)

植草一秀

第371号 白川方明氏に代わり得る次期日銀総裁候補は存在しない

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/10/11 白川方明氏に代わり得る次期日銀総裁候補は存在しない 第371号 ──────────────────────────────────── 日本経済の停滞が続いている。 2011年の日本の名目GDP468.4兆円は1991年の469.4兆円 を下回った。 20年間、日本経済は成長がゼロなのである。 名目GDPが減少しているということは、文字通り、日本経済の規模が丸20 年間まったく拡大しなかったことを意味する。 20年前に日本の5分の1であった中国経済に2010年、ついに追い抜かれ た。 「失われた20年」は言葉だけの現象ではない。現実に、日本経済は80年代 後半のバブル経済を経たのち、超停滞の20年間を経過したのだ。 この経済停滞は実質的な経済活動がまったく成長しなかったことと、この間の 物価上昇率がゼロであったこととによってもたらされたものである。 この経済停滞は「デフレ」と呼ばれることが多いが、「デフレ」の第一義は 「物価下落」であって、日本経済の現実を正確に表現するものではない。 現実の日本経済は「経済停滞」と「物価停滞」の複合物である。 「デフレ」の言葉が使われるようになったのにはわけがある。 発信元は財務省である。 財務省がある意図をもって「デフレ」の表現が流布されてきた。 その意図とは、経済停滞の核心が「物価下落」にあることを強調することであ る。 その狙いは、経済停滞の責任を日本銀行に押し付け、経済停滞に対応する政策 対応の責任を日本銀行に押し付けるというものだ。 この策謀を背景に、国会や在野においても、日銀による金融緩和政策積極化を 求める論調が強い。
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