━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/28 永田町の「近めし」約束は守られたことがない!? 第329号 ──────────────────────────────────── 野田内閣が衆議院で定数是正法案を民主党単独で可決させた。 自民党は態度を硬化させ、参議院で野田佳彦氏に対する問責決議案を提出する 意向であるという。自民党などが参議院で審議を拒否すれば、定数是正法案は 廃案になる。 定数是正は最高裁判決で現在の状態が意見であると判断された事項である。 国会は責任をもって定数是正を実行しなければならない。 野田佳彦氏は消費増税法案を三党協議で強引に可決、成立させたが。強引な方 法でも可決、成立させなければならないのは定数是正の法律である。 比例定数を40削減するだの、比例代表連用性を導入するだのということは、 各政党の利害得失が絡むから簡単にはまとまらない。比例の定数を減らせば小 政党は不利になる。比例代表連用性を導入すれば大政党が不利になる。 簡単には合意を得られない。 しかし、最高裁が違憲判決を出した以上、この司法判断を尊重するべきことは 当然だ。 選挙制度の骨格を変えずに、定数是正だけを実行するというなら、ゼロ増5減 しかなくなる。 抜本策ではないが、大きな制度改革が無理なら、暫定的にゼロ増5減案で進み、 違憲状態をまず解消し、その上でじっくりと制度改革に取り組むという手もあ るだろう。 野田内閣が「責任ある政治」を実現しようというなら、これが道筋である。 衆議院で民主党単独で法案を通しても、参院の可決を得なければ法律は成立し ない。 衆院で民主単独で可決すれば、自民党が態度を硬化させ、法案が廃案になるこ とは歴然としている。それにもかかわらず民主党が強行に採決に進んだという ことは、民主党が制度改革を実現させる考えがないことを意味している。 これに意味するところは、野田佳彦氏が総選挙日程を2013年に先送りしよ うとしているということだ。… … …(記事全文4,864文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)