━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/02 TPP・消費税・普天間・原発についての正しい考え方 第154号 ──────────────────────────────────── 国民生活に直結する現下の最重要政策課題は消費税、TPP、普天間である。 もちろん、原発および東電処理も重要だ。 冒頭の三つの課題についての基本姿勢において、現下の政治勢力ははっきり二 つのグループに分かれている。 拙著『日本の独立』に詳述したように、民主党は表面上ひとつの政党であるが、 内実は水と油の混合体である。 早晩、分立が不可避であり、両者の同居が政治混乱の一因にもなっている。 政党の属性を判断するのに、もっとも分かり易い方法は、政党が誰の利害を代 表しているのかを考えることである。 民主党内の二つの政党。 仮に正統民主党と悪徳民主党と呼んでおく。 2009年9月の政権交代を誘導した主軸である小沢-鳩山ラインが正統民主 党である。 2010年6月に鳩山内閣総辞職の間隙を縫って政権を乗っ取った勢力が悪徳 民主党で、菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部ら悪徳8人衆など によって構成される勢力である。 正統民主党が主権者国民の利害を代表するのに対して、悪徳民主党は米国・官 僚・大資本というこれまで日本政治を支配し続けてきた利権複合体の利害を代 表する勢力である。 自民党が米国・官僚・大資本の利害を代表する勢力であると考えれば、悪徳民 主党と自民党とに差はなくなる。自由民主党から自由を取り去ったのが(悪 徳)民主党との言い方もできる。 悪徳民主党と自民党との間に大きな相違は存在しない。しかし、正統民主党と 悪徳民主党との間には、完全なる断絶、根本的な相違が存在する。 したがって、両者が同じ政党に同居している現状は、あまりにもいびつである と言わざるを得ない。 領土問題と同じで、どちらも実効支配を主張しているから、どちらが出てゆく べきかについて意見が対立し、なかなからちが明かない。… … …(記事全文6,367文字)
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植草一秀(政治経済学者)