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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

命取りになりかねない安倍首相の対韓国強硬外交
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017月12月29日第1014号 ■   ==============================================================     命取りになりかねない安倍首相の対韓国強硬外交  ==============================================================  きのうの最後のメルマガ「日韓合意検証作業報告書の公表に思う」で、私はこう締めくくった。  「いずれにしても日韓合意検証作業部会の報告書公表は、日韓関係の今 後に大きな難問を突きつけていく事になる」と。  そのメルマガを書きえた直後に、テレビが驚天動地のニュースを流した。  何と文在寅大統領が、「この合意では慰安婦問題は解決されない」とする声明を出したというのだ。  これまでのあらゆる報道と観測は、平昌冬季五輪の成功をすべてに優先する文在寅大統領は、報告書に対する韓国政府の立場は、五輪後まで明らかにしないとされていた。  私もてっきりそう思っていた。  だから日韓関係の難問は、年を越して2月の平昌五輪の後から表面化すると思い込んでいた。  だからこのタイミングの文在寅大統領の声明には心底驚いた。  しかも、その内容が日韓合意の完全否定だ。  私は、そのニュースを聞いて、即座にメルマガを書こうと思ったけれど、この声明をどう評価したらいいかわからなかったので書かなかった。  いや、書けなかった。  だから一日置いてきょうの各紙の報道内容を見てから書こうと思った。  ところがどうだ。  大手各紙もテレビ報道も、大統領声明があったことだけを報道し、「見直しはありえない」という日本政府筋の言葉を繰り返し、日韓関係は難しくなると嘆くだけで、何ひとつまともな解説や論評をするものはない。  それほど衝撃が大きいという事だ。  それほど、誰もがどう評価したらいいかわからないという事である。  ならば私が真っ先に書く。  日韓関係はいま戦後最大の危機にある。  この難問を正しく対応できるかどうかで安倍政権の命運が決まるといってもいいほどの難問だ。  どう対応すれば正しいか。  それはズバリ、堂々と日韓合意の再協議の要請に応じる事だ。  一旦両国間で合意した国際約束を再協議することなどあり得ない、などと、政府もメディアも有識者も、あたり前のように論評する。  そんな馬鹿なことはない。  安倍首相が100%支持し、追従するトランプ大統領を見て見ろ。  オバマ大統領が決めた国際約束をことごとく否定して、平然としているではないか。  トランプ大統領を支持した米国民はそれに拍手喝さいではないか。  それが民主主義というものだ。  朴槿恵大統領を弾劾した韓国国民が文在寅大統領を選び、慰安婦の意向を無視した日韓合意の見直しを文在寅大統領に要求する。  文大統領はそれに応えたのだ。  それが民主主義だ。  その一方で、支持と不支持が真っ二つに割れたままの安倍首相が、自らの間違った歴史認識に固執して対韓外交を私物化してる。  どちらに理があるかは自明だ。  繰り返して言う。  安倍首相は、韓国国民とその意を受けた文在寅大統領の日韓合意再協議の要請を堂々と受けて立つべきだ。  自分が正しいと思うのであれば、再協議で堂々と持論を述べ、それを実現すればいいだけの話だ。  最後に決めるのは日韓両国民だ。  報じられるような強硬姿勢に安倍首相が固執するなら日韓関係は不可逆的に悪化する。  国内問題では一強が通じても、世界を相手には一強など通用しない。  下手をすれば、外交の失敗で政権を手放さなければならなくなる不名誉な首相で終わる。  いまほど安倍首相の真価が問われる時はないのである。  そのことに気づいているのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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