□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月9日第742号 ■ ============================================================= これはもはや完全な日米二国間協議である ============================================================== 今日9月9日の各紙が奇妙な報道を一斉に垂れ流した。 すなわち日米などの4か国がTPP閣僚会議の地ならし会合を行うというのだ。 12か国が参加する多国間協議で、一部の国だけが集まって話し合うなどということがあるのか。 そう思ってよく読んでみると、外務省が流したことをそのまま記事にしているのだ。 外務省はきのう9月8日に、ワシントンで9月9日ー11日の間に日米自動車事務レベル協議を開くことを発表したらしい。 その際に、カナダやメキシコとも個別協議を行うという。 カナダやメキシコは自国の産品もTPP産と見なされれば、米国と同じように対日関税で優遇されるから関心を持っているからだ。 つまり餌をちらつかせてカナダやメキシコを巻き込んでTPP4か国協議の形にしたかったのだ。 しかも個別協議であるというのに4か国協議と詐称している。 私が繰り返し書いてきたとおり、TPP協議は初めからまったくその趣旨が異なる日米二国間協議と12か国協議の二本建てだった。 12か国の協議が事実上の無期延期となった今、日米二国間協議ばかりが先行すれば都合が悪いので、無理をしてカナダとメキシコを巻き込んでTPP協議を継続することにしたいのだ。 カナダとメキシコは米国と一緒になって北米自由貿易圏を早々と作った国だ。 日本だけが不利益を被る対米従属の経済交渉を、なぜ外務省はここまで無理をして続けるのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)