□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月9日第741号 ■ ============================================================= シリア難民問題で最後に発言することになる日本 ============================================================== シリア難民問題に関し、ワシントン共同が配信し、きょう9月9日の産経新聞がそれを小さく転載していた。 すなわち、米国家安全保障会議(NSC)の報道担当官が7日、「米政府は難民の再定住を含め、さまざまな対応を検討している」と表明して、人道支援で米国は重要な役割を果たしていることを強調したと。 私が注目したのはそのあとに次のように書かれていたことだ。 「・・・米国の関与拡大を求める声があることを念頭に、オバマ政権の積極的な姿勢を強調。批判をかわす狙いがありそうだ」と。 まさしくそうだ。 米国は欧州に比べてシリア難民に対する反応が遅く、弱い。 その理由は難民の原因を作っているのは米国だということを知っているからだ。 しかも大統領選挙が始まって、トランプのような人種差別主義者の声が強まっている。 それでも人道支援援助の大国である米国が黙ってるわけにはいかない。 だから聞かれて報道官はそう答えたのだ。 本来ならばオバマ大統領やケリー国務長官が発言すべきところを、報道官を通じて言わせた。 そこに今度のシリア難民問題に関する米国の消極性を見る。 しかし、そう発言した以上、今後米国が貢献に参加することは確実だ。 とうとう日本は米国にまで先を越されてしまった。 しかし、米国がそう言った以上、日本政府もシリア難民で何かを言わなければならない。 いずれ何らかの発表を行うだろう。 またしても対米従属だ。 そしてとうとう日本はシリアの難民問題で最後に発言する国になる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)