□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月12日第131号 ■ ============================================================== 次官級協議という名の外務官僚の失業対策 ============================================================== きょう2月12日の読売新聞が書いていた。 井原純一外務省アジア大洋州局長が先月末に中国で北朝鮮側と拉致被害者の再調査をめぐり非公式な協議をしていたことが分かったと。 目新しい進展があったというのか。 もちろんない。 日本側が調査の進展状況を北朝鮮側から聞き取り、あらためて早期の報告を要求したものとみられる、などと読売は書いている。 そういえば北方領土問題についての日露次官級会議の開催も報じられていた。 いまの米ロ関係の悪化や、露の強硬姿勢を見れば、北方領土問題やプーチン訪日の話など、進むはずがない。 何のための次官級協議なのか。 実務者協議といい、次官級協議といい、非公式協議といい、なぜ外務官僚は不毛な協議を繰り返すのか。 それは、ほかにすることがないからである。 内部にいて経験しているからよく知っているのだが、メディアに取り上げられているうちが華なのだ。 拉致問題も北方領土問題も、いまは打つ手のない状況になってしまった。 このようなときは何もせずに策を練っていればいいものを、それでは誰も注目してくれない。 安倍首相からは何をやっているんだと責め立てられる。 だから何かをやっているふりをしなくてはいけないのだ。 メディアにアピールして、官邸に売り込まねばいけないのだ。 そんな理由のために、成算のない協議を無理やりつくって行う。 こんな無駄なことは民間企業ならまず許されない。 しかし官僚は成果なしの仕事を税金を使って行っても、だれも批判しない。 何かひそかに重要なことをやっているに違いないと煙に巻くことができる。 失業対策であり、暇つぶしであり自己アピール外交だ。 日本は官僚天国であるというもう一つの証拠である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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