□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月11日第129号 ■ ============================================================== 香川護憲集会に出席して思う ============================================================== 新幹線を乗り継いで高松まで那須塩原から往復してたったいま帰ってきたところだ。 香川護憲連合に講演に呼ばれたからだ。 この講演は昨年5月3日の憲法記念日に頼まれていたものだったが、忘れもしない、4月29日の朝、目の病気で緊急入院する羽目になり、直前にキャンセルして迷惑をかけた。 あれから一年近くたって、もう一度という依頼を受けてお詫びかたがた高松1泊で出かけていった。 前日の新幹線でODA大綱変更の閣議決定を知った。 すでにさんざん報道されていたことだが、ここまで閣議決定するとは思っていなかった。 私は外務省時代にODA担当を長くやっていたが、ODA大綱を首相主導で行うなどということはありえなかった。 今度のODA大綱の変更は、これまでとはまったく異なる安倍首相主導の憲法違反の決定である。 そう思っていたら一夜明けてきょう2月11日の毎日が、周辺事態法を改正して米国以外の国にも後方支援を行う法改正をする方向で検討に入ったと報じた。 憲法9条の成立の歴史を知るものならわかることだが、二重の意味で憲法9条違反だ。 憲法9条は日米安保条約、つまり米国との軍事同盟と表裏一体でできたものだ。 米国以外の国との安全保障は全く想定されていない。 その米国との関係において、憲法違反の集団的自衛権行使を容認したと思ったら、今度はその相手を米国以外にも拡げるという。 これ以上の憲法違反はない。 どうやら安倍首相は狂ったように憲法9条の精神を踏みにじろうとしているがごときだ。 あす12日の施政方針演説ではイスラム国との戦いについて強調するだろう。 安倍首相が通常国会の冒頭で施政方針演説をしなかったのは、補正予算を早く通すことを最優先にしたからだと報じられていた。 しかし、人質事件を知っていた安倍首相が、こうなることを想定した上で、このタイミングでテロとの戦いを施政方針演説で宣言する、そう目論んでいたのではないかとさえ思わせる、明日の施政方針演説だ。 来年夏の参院選挙が憲法9条にとっての正念場だ。 安倍首相の狙いは参院選で改憲議員の三分の二を確保することを狙っている。 これだけは何としてでも阻止しなければいけない。 阻止することができれば改憲発議はできない。 逆に、衆参ともに会見議員が三分の二以上となれば国会で改憲が決まり、国民投票の過半数は、このままいけば右傾化の世論がますます進み、だから過半数は容易に達するだろう。 それを安倍首相が狙っていることは明らかだ。 安倍首相にだけは改憲させてはいけない。 安倍首相の時に改憲を阻止することができれば、そのあとに続くいかなる首相も安倍首相ほど改憲にこだわることはない。 つまり安倍首相の手による改憲を阻止できれば改憲は阻止できる。 今度の参院選(おそらく衆参同時選挙)の重要性は、いくら強調しても強調しすぎることはない、そう私は講演で訴えた。 しかし、この講演の主催者を含め、既存の政治の枠内で活動してきた人たちには、どうすれば来年の参院選で安倍自民党の議席を減らすことができるのか、護憲派政治家の数を増やすことができるのか、名案があるとはとても思えない自信のなさだ。 このままいけば安倍自民党の思う通りに進む。 文字通り憲法9条の名を冠した新党を立ち上げて平和を願う国民の声を結集する。 安倍首相を打ちのめすのは憲法9条しかない。 私の試みはそういうことである。 そんなことばかり考えてとんぼ返りで帰った来た。 私の好きな演歌「波止場しぐれ」の舞台である土庄港を訪れて歌の一節でも口ずさもうと思っていたのだが・・・(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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