□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月8日第121号 ■ ============================================================== 北方領土問題解決への取り組みは新たな首相の下で出直すべきだ ============================================================== 「北方領土の日」である2月7日、安倍首相は「北方領土返還要求全国大会」に出席してこう述べたという。 「問題の解決に向け、粘り強く取り組む決意だ」と。 こればかりは嘘ではない。 そして誰が首相であっても同じような事を口にしただろう。 問題は、もはや安倍首相では北方領土問題解決を解決することはできないということだ。 安倍首相はいまや北方領土問題の解決に最も不向きな首相になってしまった。 いうまでもなく北方領土問題は日本とロシアだけの問題ではなく米国が重要なカギを握っている。 しかし、いまや安倍首相は米国のオバマ大統領からも、ロシアのプーチン大統領からも信用を失った。 すなわち、その間違った歴史認識でオバマ大統領を失望させた安倍首相は、ウクライナ問題で見せた情けないまでの対米従属によってプーチン大統領の不信を買った。 そしてウクライナ問題をめぐってオバマ大統領とプーチン大統領の関係は悪化するばかりだ。 もし安倍首相とオバマ大統領の個人的関係が、小泉・ブッシュのごとく良好であれば、そして安倍首相にその外交的叡智があれば、日米同盟関係の決定的悪化を避けつつウクライナ問題で独自の外交ができたかもしれない。 そうすればプーチンはそれを高く評価し、北方領土問題で恩義に報いる決断をしたかもしれない。 そうなのだ。 安倍首相は歴史的成果を残す千載一遇のチャンスを、自らの間違った歴史認識と、外交的センスのなさで、逃がしたのだ。 逃がしたチャンスは取り戻せない。 いくら安倍首相が対米従属に走っても、オバマ大統領の不振はぬぐえず、対米従属に走るだけ、とられ損に終わる。 いくら安倍首相がプーチン大統領にアイコンタクトしても、一度裏切られた不信をプーチン大統領は忘れない。 北方領土の日に見せた安倍首相の「北方領土問題の早期決意表明」ほど、むなしい言葉はない。 もはや安倍首相は北方領土問題の解決にもっとも不向きな首相となってしまった。 北方領土問題はあらたな首相の下で仕切り直しして再出発すべきである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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