□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月21日第661号 ■ ============================================================= 「鳩山首相にいら立ちなど感じていなかった」と証言した元米高官 ============================================================= 9月20日の朝日新聞が、スタインバーグ・シラキューズ大公共政策 大学院長との単独インタビュー記事を掲載していた。 スタインバーグ氏といえば7月末に辞める前までは、オバマ政権の 外交・安全保障政策を担当する米国務副長官であった人物だ。 クリントン国務長官を補佐する事務方のトップである。 そのスタインバーグ氏が、インタビュー記事の冒頭で、「鳩山政権下 の普天間移設をめぐる迷走には、いら立ちを感じたのでは」という朝日 新聞加藤洋一編集委員の問いに対して、次のように答えているのだ。 「それはなかった。オバマ政権内には、日本の政治システムの進化に 必要なコストとして、進んで受け入れる空気があった」 この証言は極めて重い意味を持つ。 あの時、メディアは鳩山元首相を、オバマ政権の失望と怒りを買った、 とさんざん批判した。 朝日もその例外ではなかった。 藤崎一郎駐米大使のごときは、国務省に呼びつけられて不快感を伝え られた、とまで日本のメディアに流し、それを日本のメディアが大きく 報道した。 これに対し、米国側はすかさず、「呼びつけてなんかいない、藤崎 大使のほうが国務省を訪れたのだ」と否定した。 これほど重要な日米の食い違いであるというのに、それが追及される ことなく、曖昧なままに終わった。2009年12月の事である。 あれから2年近くが経った。 鳩山首相は菅首相に代わり、そして今は野田首相だ。 外相も岡田氏から前原、松本、玄葉とめまぐるしく代わった。 しかし、オバマ政権は同じだ。クリントン国務長官も藤崎大使もあの 時のままだ。 このスタインバーグ前米国務副長官の言葉は動かぬ証拠だ。 オバマ大統領はもとより、オバマ政権の高官たちも、日本のメディア が当時さかんに報じたような悪感情はなかったのだ。 日本のメディアは外務官僚やマイケル・グリーン、アーミテージなど という一握りのジャパンハンドラーズとしか接触せず、彼らの話すこと を尾ひれをつけて誇張していたのだ。 加藤洋一編集委員は、インタビュー記事の後に、そのインタビュー についての「解説」を書いている。 その解説記事の中で加藤氏は、「中国の台頭など、世界の政治構造が 変わる中、日本には頼れるパートナーになって欲しいという期待が強く 感じられた」、と日米同盟強化の期待に応えよ、といわんばかりだ。 しかし、スタインバーグ氏が冒頭きっぱりと、オバマ政権内には、いら 立ちを感じるどころか、鳩山民主党政権については、日本の政権交代に 伴う必要なコストとして、進んで受け入れる空気があった、と明言した 事については一言の言及もない。 みずから「いら立ちを感じたのではないか」と誘導尋問したにもかかわ らず、それをスタインバーグ氏がきっぱりと否定したというのに、である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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