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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

中国の世界戦略の正体はこれだ   
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□□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月4日第615号 ■     =============================================================    中国の世界戦略の正体はこれだ         =============================================================  9月4日の日経新聞「世界を語る」において中国精華大学現代国際関係 研究院の院長である閻学通(ヤン・シュエトン)という人物がインタビュー に答えて、とうとうと国際政治の展望を述べていた。  閻学通氏は中国を代表する外交論客であるという。2008年の米誌 フォーリン・ポリシーで「世界で最も影響力を持つ知識人100人」に 入ったという。  その閻氏が次のように日経紙のインタビューで述べているのだ。  「今後の世界政治は乱の時代に入った。そしてそれは至って自然なことだ。 米国が後退を始め国際秩序は移行期に入った。移行期に国際政治は不安定に なるものだ」、と。  しかし彼は世界が多極化になるとは思わないと次のように述べる。  「経済力、軍事力など物質的な力、いわゆる『ハードパワー』で測れば 世界は米中の2極体制に向かっている。今後10-15年で、米国との力の 差を縮小する国は中国しかいない。日本もドイツも英国も、米国との差は 開いていくだけだ」、と。  私が驚いたのは中国は米国を目指すと次のように言っていることだ。  「米国は世界の70カ国以上と同盟・協力関係を持ち、『同盟の力』では ダントツな存在だ。中国はパキスタン、北朝鮮とは友好関係があるが同盟 関係とはいえない。中国が米国と並ぶ超大国になるには、周辺国との戦略 的な同盟関係を強化しなければならない」、と。  そして私が最も驚いたのは、その同盟関係をあくまでも軍事協力関係を 中心に考えていると、次のように述べているところである。  「(「同盟関係をどのように築くのか」という問いに答え)周辺国に安全 保障を提供することだ。経済的な結びつきがいくら深くても安全保障の連帯 にはかなわない。たとえば中国はもう何年も日本の最大の貿易相手国だが、 米国に代わる存在にはなれない」、  「(「多くの国が米国と同盟関係を結ぶのは、自由や民主主義という価値 観を共有するからではないか」という問いに対し)それは典型的な西洋型の 解釈だが正しくない。米国がどこよりも多くの同盟関係を持つのは、どこ よりも出費して安全保障を提供しているからだ」  その上で閻氏は次のように中国は「王道」を求めるという。  「中国古代の賢人らは、それぞれの時代に中国がどんな大国であるべきか を盛んに議論していた。彼らは専制、覇権、王道の三つのリーダーシップが あると見ていた。専制は圧倒的な軍事力で世界の秩序を維持しようとする。 覇権は軍事力と同盟関係の拡大で世界に影響力を行使していく。今の米国が このタイプ。専制よりはましだが覇権はダブルスタンダードを招く。王道は 軍事力と道徳規範の二つで指導力を発揮する。国際的な基準、ノルマを順守 し、同盟国と仲良くするだけでなく、徳によって非同盟国も味方につけて いく。中国は王道をめざさなければならない・・・」  その他にも興味深い発言は続くが、これ以上引用するのはこのメルマガの 趣旨ではない。  閻氏の言葉の中に一貫して流れているのは国際政治における軍事力重視の 姿勢である。  これは憲法9条を持つ日本と反対の考えである。  これは米国の安全保障観と共通するものである。  中国と米国は国際政治観において共通性がある。  日本の憲法9条を貫く考えは米国の安全保障政策の対極にある考えだ。  しかし憲法9条を貫く考えは同時にまた閻氏の唱える軍事力を頼みと する安全保障観とも対極にある。  親米保守は言うだろう。それみたことか。だから日米同盟が重要なのだ。 日中同盟などあり得ないと。  私は主張する。  日本は軍事力を頼みとする米国や中国とは異なる国を目指すべきだ。平和 をすべてに優先する憲法9条を掲げて国際政治に臨むことこそ王道であると、 米国はもとより、中国にこそ諭すことが日本の外交・安保政策であるべきだ、 と。  それこそが日本が世界の多くの国から尊敬を勝ち得る唯一、最善の策で ある。  この事を自分の言葉で堂々と発言できる指導者がこの国に現れなければ ならない。                                                             了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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