□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月14日発行 第503号 ■ ============================================================== 絶対的弱者の側に立つ者こそ真の勇者だ ============================================================== 松本復興大臣暴言問題の後日談を語る二つの興味深い記事が目にとまった。 一つは写真週刊誌フラッシュ7月26日号の田原総一朗氏の記事だ。彼は こう書いていた。 「・・なんであんな乱暴な言い方をしたのか。彼の祖父・松本治一郎は部落 開放同盟の創始者で旧社会党では神様のような存在だった。彼はみなにチヤ ホヤされて、お坊ちゃんとして育てられたんだね。実家は中堅ゼネコンでお金 にも不自由したことがない・・・新聞は当初、問題発言をほとんど話題にしな かった。松本さんのバックの部落解放同盟が怖いから・・・」 差別に苦しむ弱者の部落解放同盟の連中が、お金に不自由しないお坊ちゃん としてみなにチヤホヤされて育てられたとはどういうことか。 部落解放同盟が怖いから新聞が本当の事を書けなかったとはどういうことか。 そう思っていたらこういう記事があった。 週刊新潮7月21日号に掲載された、「共産党だけが指摘した松本龍前大臣の 恫喝・・・」、という記事だ。 すなわち共産党の前参院議員である小池晃氏が自らのツィッターで、次のよう に書いていたというのだ。 「・・・松本大臣の発言は内容も口調も人間として最低・・・いわれなき差別 がまかり通ってきた旧同和地区でも長年の住民の努力で同和問題は基本的に解消。 不公正で乱脈な同和対策を続けること自体が新たな偏見を生みます。部落解放 同盟による無法な利権あさりを許さず同和行政の完全終結を!・・・」 正論だ。 しかしなぜメディアも恐れる部落批判を小池氏はかくもはっきりと言えるのだ ろうか。 それは小池氏が日本共産党という一大政治組織に守られているからだ。 部落出身者もまた部落解放同盟なという組織に守られて強く出る事ができる。 この世の中には大小のおびただしい数の組織があり、その組織が選挙や献金や 利権を通じて政治を利用してきた。 その一方で、なんの組織も持たない、なんの組織にも属さない多くの声を 出さない、出せない国民がいる。 私の言う本当の絶対的弱者とは、そのような大多数の一般大衆である。 サラリーマンであり派遣員であり、自由業者、中小企業事業者などだ。 かれらも声を政治に届けてくれるものはいない。税金は取られ放題だ。税金の 見返りとなる政策 を実現する術はない。 言われるままにこの国の政治がつくる政策に従うしかない。 そのような絶対的弱者の側に立つ者が現れてこなければならない。 そのような者こそ真の勇者である。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)