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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

原発再稼動問題の大騒ぎの裏で密かに進む日米核テロ軍事協力
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月13日発行 第502号 ■     ==============================================================   原発再稼動問題の大騒ぎの裏で密かに進む日米核テロ軍事協力      ==============================================================  きょうの各紙のニュースの中で私が注目したのは、なんといっても読売 新聞が一面トップでスクープした原発対処強化という名の日米軍事協力の の強化である。  読売の記事はこう書いている。  自衛隊は12日、原発事故への対処能力を総合的に強化する方針を明らか にした。「自衛隊原子力災害対処計画」を見直し、自治体や米軍との連携 強化を念頭に訓練や装備の拡充も進める。自衛隊トップの折木良一統合幕僚 長が読売新聞との単独インタビューで表明した・・・  考えてみるがいい。  原発再稼動の前提条件として急遽ストレステストが課された。万が一にも 原発事故があってはならないという安全最優先の考えだ。  いまや菅政権延命の唯一の正統性は、他のどの政治家よりも原発の安全性 に熱心な首相であるからだ、といわんばかりの毎日の報道ぶりだ。  そのような二度と原発事故は許さないという菅首相の下で、なぜ原発事故 に備えて自衛隊が自治体を巻き込んだ日米軍事協力を強化しなければならない のか。  それは核テロを念頭に置いた日米同盟の深化にほかならない。  「おともだち作戦」という名で米軍の人道援助が喧伝されている裏で日米 核テロ作戦が進行していたことは、もはや知る人ぞ知る。  それを裏付ける記事が同じく12日の朝日新聞に掲載されていた。  長島昭久民主党外交・安全保障調査会事務局長が「エネルギー政策のゆくえ」 というインタビュー記事の中で得意げに答えていた。  震災直後細野首相補佐官(当時)から「現場の放水冷却作業についてサポート してほしい」と頼まれた。日米両政府をつなげる政策調整のあらたなメカニズム が必要だと感じ、菅首相に直談判して、即断即決で日米協議の立ち上げが 決まった・・・  このインタビュー記事は、あくまでも原発事故を巡った日米協議について 語っている形を取っている。  しかし米国の関心はもっぱら核汚染の中の軍事作戦にある。米国の最大の関心 は核有事である。  長島昭久という民主党の政治家は日本の政界きってのタカ派であり日米軍事 協力の急先鋒である。日米同盟深化の米国の代理人である。  その彼が菅首相に直談判して放水作業が進められた。あの放水は冷却効果を 狙ったものではない。米国に対し日本も本気で核封じ込めに対応しているという 決意を見せ付けるためのパフォーマンスであった事が後日明らかにされている。  問題はそれだけではない。  この自衛隊の原発事故対処に関する日米協力強化方針が、菅首相が国会で発表 するのではなく、折木という制服組のトップが読売新聞の単独インタビューで 堂々と明らかにしたということだ。  一頃であれば大問題になっていたはずだ。  もはやこの国は日米軍事同盟の強化についてはやりたい法題、ノーチェック 状態だ。  安全保障問題に無関心な菅首相と、護憲政党の衰退のなせる結果である。  私が、原発廃止ばかりに気をとらわれることなく、原発事故よりももっと現実 的で深刻な「米国との核軍事協力」の進行を見逃すなと繰り返して警鐘を乱打 する理由がここにある。                               了

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