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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

北岡伸一東大教授は平和国家日本の最大の敵である
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年10月6日発行第130号 ■       ===============================================================             北岡伸一東大教授は平和国家日本の最大の敵である      ===============================================================  突如として政局の中心に浮上した小沢一郎の強制起訴問題によって、すべて が国民の目から遠ざけられようとしている。  その中でも日本を不幸にする最も深刻な問題は予算編成の大騒ぎの中で年内 にも決定されると言われている新防衛計画の大綱であると私は思っている。  メディアが何も報じないうちに新防衛計画大綱づくりは着々と進んでいるに 違いない。  10月3日の読売新聞「地球を読む」を読んだ時、そう私は確信した。  北岡伸一東大教授が尖閣問題と関連させて「ノーと言える防衛政策」と 題する要旨次のような論説を書いていた。  「・・・多くの論者が(尖閣問題で)日本は毅然たる強い姿勢を示さなければ ならないと主張している。私も同感だ・・・重要なのは、強い言葉ではなく、 防衛政策の強化である・・・力の背景のない外交は意味がない・・・」  こう前置きをした上で北岡氏は次のように日本のとるべき防衛政策を主張する。  すなわち安倍内閣で設置を試みた米国NSCの日本版である国家安全保障会議 の設置、武器輸出三原則の廃止ないし緩和、そして集団的自衛権の是認、この 三点である。  そして北岡氏は次のように主張する。  これらは麻生内閣の下でつくられた防衛政策懇談会の提言に盛られていた ものであり、民主党内閣において設置された懇談会が今年8月に提出した 報告書の中にも同様の提言がなされている。これを民主党が提案すれば自民党 も賛成して成立する可能性が十分ある、と。  このような形での国論の一致こそ、日本の断固たる態度を示す最も望ましい 方法である、と。  周知の通り北岡教授は、政権が自民党から民主党に交代しようとも、小泉 首相や鳩山首相を痛烈に批判しようとも、政府・官僚から重用され続ける 御用学者の雄である。  事実、外交・安保問題がまるでわからない菅・仙谷民主党政権は北岡氏を 外交・安保問題の顧問役として迎え、その政策を丸投げしている如くだ。  この北岡氏の考えが菅・仙谷民主党政権下で作られる新防衛計画の大綱に なる。  北岡氏の悪質なところは外交・安保に無知な一般国民を誤誘導するところ である。 彼は言う。  「・・・国連憲章にはすべての国は集団的自衛権を持つとあり・・・ (新旧の)日米安保条約にも、日本は集団的自衛権を持つと書いてある」  それにもかかわらず、「集団的自衛権を保持しているが行使できない」 とする内閣法制局の解釈は奇妙である」、と。  たしかに国連憲章51条には加盟国は個別的または集団的自衛の固有の 権利があることを認めている。  しかし同時にその権利は、あくまでも国連安保理が必要な措置をとるまでの 間にのみ認められる権利である。  何よりも国連憲章を貫く精神は、紛争は武力で解決してはならないという 国際合意であり、それに違反する加盟国を国連は認めないとするいわゆる 集団安全保障体制の考えである。  その精神は、共通の敵に対抗する軍事同盟の要請から来る集団的自衛権 行使の対極にある考えなのである。  さらに日米安全保障条約はその前文と第一条において国連憲章に従う事を 条約の原則とする事を明記している。  これは吉田茂以下当時の外務官僚が占領下で行なったギリギリの交渉の 成果なのである。  これらの事実を北岡教授が知らないはずはない。知っていながら無知な読者 を巧みに誤誘導しているのだ。  かつて北岡教授やその同僚の田中明彦東大教授がそろって米国のイラク攻撃 を支持する言説を繰り返した時があった。  やはりイラク攻撃を支持して対米従属を唱えた岡崎久彦外務省OBが、 それらの言説を引用して、イラク攻撃に反対する世論をこう嘆いて見せた。  「昔なら東大教授が言ったものは、そういうことかと皆が納得したものだ。 それで皆が黙った。決まりであった・・・」  これこそが今も流れる官尊民卑の考えだ。  しかし私は知っている。この日本には、そのような御用学者や官僚たちの 浅薄で誤った考えを見抜く事のできるはるかに聡明な、名もなき人々が無数に 存在しているということを。  そのような人々と平和な日本を守りたい。そのために私は発信し続けていく。                                  了                                                                                                                  おしらせ                                                                         1.日経ビジネスオンラインの記事  9月29日に私の「新防衛計画の大綱私案」が掲載され反響を呼んでいます。  オンラインはこちらでお読みいただけます。  http://business.nikkeibp.co.jp/  2.ベンジャミン・フルフォードと天木直人の共同講演会のお知らせ                  記 テーマ:民主党政権に任せたら日本はどうなる?今すぐ日本を良くする処方箋 (構成: 天木直人講演、ベンジャミン・フルフォード講演、ベンジャミン VS天木氏による対談、質疑応答) 日時: 2010年10月9日(土) 14:00~17:00(受付は 13時半から) 場所: 千駄ヶ谷区民会館 2F (東京都渋谷区神宮前1-1-10) アクセス: JR山の手線 原宿駅「竹下口」 徒歩6分  費用:  3000円 (学生2000円) 申し込み方法: 氏名、連絡先 、参加人数、支払い方法(持参又は振込み) を明記の上、     メール(benjaminoffice88@gmail.com)にてお申し込み下さい。 問い合わせ先: ベンジャミン・フルフォード事務所 (benjaminoffice88@gmail.com) 3.軍事評論家 潮匡人氏(元航空自衛隊三等空佐)と討論会のおしらせ                 この講演会はたちまち定員が超過したので主催者側から応募を締め切った との連絡を受けました。ご了解下さい。  なお主催者は、「埼玉青年商工会議所主催」と書きましたが、正確には 「日本青年会議所埼玉ブロック協議会主催」であると訂正の申し入れが ありましたのでお詫びと訂正させていただきます。  念のため問い合わせ先は次のとおりです。    公益社団法人日本青年会議所 埼玉ブロック協議会        組織連携推進委員会 担当宛         saitama.bloc@gmail.com                                                                 

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