… … …(記事全文5,865文字)今回は、以前に執筆した記事『外国人が激増した日本の市町村で何が起きたか?』の第二弾として、より深刻化する地方自治体の構造的赤字の深層に迫る。
日本の外国人受け入れ政策やそれに伴う地域社会の摩擦を議論する際、私たちはいくつかの象徴的な「縮図」を目にすることができる。
たとえば、近年メディアやSNSでも大きな議論を呼んでいる埼玉県川口市の事例が挙げられる。ここでは、特定の外国人グループと地域住民との間での交通ルール無視、資材置場を巡る土地利用の摩擦、夜間の騒音問題などが激化し、行政や警察の対応リソースが枯渇しかけている。
また、農業や建設業に従事する外国人が急増している茨城県坂東市や常総市では、住宅街での無断ルームシェアや、地域のルールを巡る摩擦に加え、宗教施設の建設を巡って近隣住民との間で深刻な対立が表面化している。これらは一見すると「突発的なマナー違反や文化の衝突」に見えるかもしれない。しかし、これら現在進行形の摩擦は決して独立した点ではなく、日本が30年以上にわたって続けてきた「ある構造的病理」が、時間の経過とともに表面化してきた必然のプロセスなのだ。
1990年の出入国管理及び難民認定法(入管法)改正により、日系人への就労制限が撤廃されてから30年余り。国や経済界が「労働力」という記号で彼らを歓迎し、その経済的恩恵を享受してきた裏で、彼らを「生活者」として抱える現場の地方自治体は、限界を超えた持ち出しを続けさせられてきた。この構造的歪みを国に訴え続けてきた組織が、自動車産業や製造業の集積地である自治体によって結成された「外国人集住都市会議(現・多文化共生都市会議)」である。
以前の記事でも説明したが、「多文化共生」という響きの良い言葉とは裏腹に、その実態は「国がまともな制度設計をしないまま外国人を入れ続けるせいで、現場の地方自治体が破綻しかけている」と国に抗議するために結成された、切実な「行政サバイバル同盟」であった。
私たちが直視すべき本当の問題は、単に「外国人の人数が増えた」ということではない。時間の経過とともに、行政が背負わされる負担の性質が、
「第1段階:労働者受け入れ」
↓
「第2段階:教育問題」
↓
「第3段階:高齢化・介護・生活保護問題」
へと、ドミノ倒しのように形を変えながら重層化していく「負担の三段階ドミノ」である。そして、このドミノを突き動かしている最大の要因こそが、「本来は国が負うべき法・財政的責任」と「本来は雇用主である企業が負うべき社会的コスト」の二つを、すべて現場の市町村(住民の税金)に肩代わりさせているという二重のフリーライダー(ただ乗り)構造なのだ。
今回の記事では、この「三段階の行政負担」という大局的なテーマに沿って、国と企業が使い捨てたツケがどのように地方のインフラをマヒさせているのか、その構造的病理を徹底的に解剖する。
30年後の国家破綻、あるいは日本の消滅……。
私たちが直面している冷酷な未来の分岐点を、ここから先で暴く。
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