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元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

近藤駿介(元ファンドマネージャー/合同会社アナザーステージCEO)

近藤駿介

中国春節期間中の売上高統計にみる投資理論の限界
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               元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

               2019/02/11号

       中国春節期間中の売上高統計にみる投資理論の限界

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「商務省が同日発表した期間中の国内の小売・飲食業による売上高は1兆50億元(約16兆2000億円)と2018年より8.5%増えた」

この報道に対して、日経電子版は

「現行の統計を始めた05年以降で伸び率が2桁を割るのは初めてとなる。中国経済の減速ぶりが年間で最大級の商戦期である春節の消費にも表れた」(日経電子版)

とややネガティブに報じているのに対して、Bloombergは

「何億人もの国民が親類に会うため国内を移動する中、春節の支出データは中国消費の底堅さを示唆した」

とややポジティブに報じている。

同じ情報でも受け手によって捉え方は異なってくるという現実を突き付けたような報道。

どちらの見方が正しいかはにわかには判断できないが、確かなことは証券アナリストの分野で重要な理論とされている「資本資産評価モデル(CAPM)」が成立するうえでの仮定「同質的期待の過程:投資家は証券の収益率に関して同一の予想を持つ」が、現実の社会では成立しないということだ。つまり、「CAPM」は理論の世界での空想だということ。

20年前にファンドマネージャーとして証券アナリストの勉強をした頃から「CAPM」理論に対しては違和感を覚えていた。

それは、仮に「投資家は証券の収益率に対して同一の予想を持つ」のであれば、ファンドマネージャーやアナリストという職業に何の付加価値が存在するのか、アナリスト資格で求められる知識はファンドマネージャーやアナリストの自己否定だという疑問である。

重要なことは、「CAPM」を始めとした様々な投資理論を金科玉条のように扱ってはいけないということだ。現実は理論通りには動かないからだ。

だからと言って理論を無視、軽視して良いというわけではないところが投資の難しいところ。理論を知らなければ、投資家は自身がどこでどのようなリスクを取っているかを知ることは出来ないので、投資=ギャンブル になってしまうからだ。

一般投資家にとって、アナリスト資格を持っているファンドマネージャーやアナリストを「CAPM」を始めとした小難しい投資理論を知っているという理由だけで「投資の専門家」と思い込むのことは投資におけるリスクの一つだといえる。


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