━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/30 国民が示す結論は原発再稼働なし・消費増税撤回 第242号 ──────────────────────────────────── 審議会の手法というものがある。 審議会を主宰するのは各省庁である。各省庁には審議会に諮問する前に結論が ある。その結論にお墨付きを得るのが審議会の目的だ。 語源由来辞典によると、「お墨付き」とは、 「室町時代・江戸時代、将軍や大名から臣下に与えた領地を後日の証拠として 保障・確認する文書のことをさした。 その文書が「お墨付き」と呼ばれた由来は、署名や署名を図案化した「花押 (かおう)」が墨で印されていたことによる。」 各省庁は自分たちが決定した結論にお墨付きを得るために審議会なるものを利 用する。 そこで重要なのが人選である。 表向きには、広く意見を取り入れて、そのなかで意見を集約した体裁を示さな ければならない。 したがって、各省庁の主張と対立する主張を示す論者も審議会委員に組み込む 必要がある。 座長には大学の要職にある人物で、役所の意向を素直に反映して取りまとめに あたる人物が選択される。 このような人物は、通常、ある程度早い段階から役所に取り込まれ、役所の言 いなりになって動くことを通じて、大学などで要職に就くことが多い。 予算などを握る役所と良好な関係を持つと、予算措置などで優遇され、その成 果が大学などでの地位を高めるのに決定的な役割を果たす。 いわゆる「御用学者」は、早くから役所に取り入り、役所のために働くことに よって、大学等での地位向上を得てゆくわけだ。 本業の学問研究で十分な業績を上げることのできない学者にとって、役所に取 り入り、その結果として大学での地位向上を得ることは、極めて重要なキャリ アパスになっているのである。 役所では、このような御用学者や御用評論家で審議会の大勢を固めたうえで、… … …(記事全文4,838文字)
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植草一秀(政治経済学者)