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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

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               渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

                            2011/09/11 

       進む欧州経済危機、ユーロは解体の道を歩むのか(サンプル号)

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PIIGS危機が収まらない。ギリシャ救済も限界が近づいてきており、市場は破
綻を折り込み動き始めている。


■ギリシャは救えるのか

欧州各国はギリシャ救済から、自国の金融リスクの切り離しに大きく舵を移
した感が強い。すでに、ユーロ圏の最大国であり金主でもあるドイツではギ
リシャ破綻を想定した自国の金融機関救済の準備を進めており、他国でも同
様の動きが強まっている。また、一部の国では危機に陥った国をユーロから
排除する仕組みの構築を求め始めており、この動きは強まるものと思われる。

欧州諸国の本音と本質でいえば、ギリシャ救済はギリシャのために行なって
いるわけではなく、ギリシャに金を貸し出している自国の金融市場と金融機
関への救済であり、自国に害が及ぶのを防止する手段でしかない。自国の金
融市場への影響が大きくなりすぎた場合、ギリシャの切り捨てを行い、その
上で自国金融機関を直接救済したほうが費用を少なく出来、早期に影響を低
減できるという意見も出ているのだ。

この根底には、限りなく脆弱なギリシャの経済構造が存在し、関わる限りギ
リシャはお金を必要とし続けるという問題がある。ギリシャは水と土に乏し
い岩石国家で、農業にも工業にも適していないという貧しい国土が広がって
いる。

過去200年を見ても、半分程度は破綻状態であり、独立国家としての機能を果
たしていない状況であったのだ。ここ数十年間、ギリシャのもつ本質的経済
的問題を補ったのは、欧州域内からの観光と不動産建設バブルであり、それ
はあくまでもバブルの徒花にすぎないのである。

ユーロバブル欧州バブルがはじけた今となっては、これは負の遺産としてし
か機能しないのである。


■ギリシャの現状

すでに、ギリシャのCDS(クレジットデフォルトスワップ)は、ギリシャのデ
フォルト確率を9割以上と見込んでおり、市場の見方は非常に厳しいものとなっ
ている。


■ギリシャ国債デフォルト確率91%示唆、CDSスプレッド3045bp

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ad4VENJTJ.7I

また、ギリシャ破綻折り込みに伴い、関連する銀行株は売られ、欧州の銀行
の資金調達コストは上昇の一途となっている。


■感染する欧州危機

欧州金融債と国債保証コスト過去最高-危機深刻化、米雇用計画に不安
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=a9_kFolKxZe0
欧州の銀行・保険25社の優先債のCDSスプレッドに連動するマークイット
iTraxx金融指数はロンドン時間午後3時現在、19ベーシスポイント
(bp、1bp=0.01%)上昇し283bp。前週末の246bpを上回っており、
このままいけば週間ベースで2009年3月以降で最大の上昇となる。

また、市場での資金調達が困難となっている一部の銀行の実名も出始めてお
り、一部の金融機関はリスクを織り込む展開にもなっている。

欧州中央銀行の国債買い入れと資金供給により、銀行のリスクは緩和されて
いるが、厳しい状況が継続している。


■凍結状態にある欧州銀行間市場

ギリシャ破綻リスク上昇に伴い、銀行は手許現金を増やす取引を増やしてお
り、デレバレッジ(信用取引の縮小)、レパトリエーション(資金の国内へ
の引き戻し)、リワインド(巻き戻し)が進んでいる。

これが株式の下落を招くと同時に銀行間市場での資金枯渇が発生させている。

当面、この状況が改善される可能性は低く、常にリスクを意識した展開が継
続するものと思われる。

また、同時に銀行の融資先である企業や個人からの資金回収を進めるものと
思われ、貸し渋りと貸しはがしにより二番底に陥る懸念が強まっている。市
況の悪化と実体経済の影響には時間差があるため、この影響が顕著化するの
は今年末頃になると思われる。


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著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)
ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/
Twitter:http://twitter.com/daitojimari
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